【エールフランス・ユニフォームヒストリー5/6】機能性とエレガンスが両立したカルヴェンの80年代

航空 エンタメ・イベント
カルヴェンデザインのエールフランス制服(1987年)
カルヴェンデザインのエールフランス制服(1987年) 全 5 枚 拡大写真

70年代後半になると、エールフランスは、スタッフに「どのデザイナーがユニフォームに適しているか」とアンケートを試みた。結果は、グレ、カルヴェン、ニナ・リッチの3名だった。

結局採用されたのは、カルヴェンとニナ・リッチで、これを機に複数のデザイナーが春夏と秋冬を別々に担当することになった。更に、ユニフォームにつきものだった帽子の着用がなくなったのもこの時期だ。飛行機が大型化するにつれ、CAの実労もハードなものとなり、モード感より乗客にサービスしやすい機能性や親しみやすさにシフトしていったのだ。

80年代を生きる女性達は、自信に満ちあふれていた。それは、男性と肩を並べるようになった彼女達の、肩は大きく横に張り出し、肩パッドの厚みによって、80’Sスタイルを象徴するビッグショルダーとなり表れた。

87年、メインのユニフォームはカルヴェン、夏のシャツドレスはルイ・フェローと分かれていた。いずれも、80年代らしく、少しだけ肩を強調しているところが、モードの国フランスを感じさせる。

ここで紹介しているのは、カルヴェンのもので、ジャケットを着ないバージョンのワンピースだ。ウールのクレープ製で、襟と5分丈の袖に付けられたカフスは光沢感のある白、メタルのボタン、白とネイビーのストライプのチーフで胸ポケットに無造作に飾られ、全体を引き締めている。パンプスは、安定感のある太目のヒール。エレガンスを損なうことなく、美しい仕事着として成立しているだけに、CAのモチベーションも上がったに違いない。

6/6に続く。

《Yuri Yokoi》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  2. 「強烈な需要がありそう」スバルの3列シートSUV『アセント』が今、SNSで話題に
  3. 三菱『パジェロ』7年ぶり日本復活か!? 日産 パトロール 派生モデルの可能性も
  4. 「泥が似合うグレードを!」三菱『パジェロ』がPHEVで復活!? スクープ情報にSNS沸く
  5. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る