クラレとクレハは、両社の合弁会社バイオハードカーボンがリチウムイオン二次電池(LiB)向け植物系ハードカーボン負極材「バイオカーボントロン」を生産する新プラントが完成し、4月8日に竣工式を実施したと発表した。
クレハグループは、主に民生用LiB向け負極材として使用されてきた黒鉛に比べ、耐久性や充放電特性に優れ、車載用LiB向け負極材に適した石油ピッチ系ハードカーボンの製造技術を保有する。バイオカーボトロンは、クレハグループと植物原料精製技術を保有するクラレグループが共同で開発した。
LiB市場は、携帯電話やノートパソコンなどの民生用を中心に拡大してきたが、今後はハイブリッド車や電気自動車などの車載用市場の急速な拡大が見込まれている。
現在、車載分野で展開している石油ピッチ系ハードカーボン負極材の「カーボトロンP」に加えて、年産1000トンのバイオカーボトロンのセミコマーシャルプラント生産品を通じて製品ラインアップを拡充し、ユーザー認証、市場開発を加速していく方針。
新プラントは投資額が約30億円で、生産能力が第一期で年産1000トン。今後、車載用ハードカーボン系負極材の市場拡大にあわせ、さらに増強していく予定だ。
バイオハードカーボンは、クラレケミカルとクレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパンが、2012年8月22日に設立した新規植物系ハードカーボン製造会社。