IHI、関係会社が低圧ガス焚き大型舶用エンジンを開発して市場投入へ

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ディーゼルユナイテッド、「W6X72DF」型エンジンのイメージ
ディーゼルユナイテッド、「W6X72DF」型エンジンのイメージ 全 1 枚 拡大写真

IHIは、関係会社であるディーゼルユナイテッド(DU)が、低圧ガス焚き大型舶用エンジン「デュアルフューエルエンジン(DFエンジン)」を開発して市場投入すると発表した。

DUは、バルチラと舶用2ストローク型のDFエンジンの研究・開発に共同で取り組んでいる。DUの相生事業所で小口径50センチボア実機の1シリンダーを流用して試験を進めてきたが、今回この要素技術を取り入れ、大口径2ストロークエンジンでは難しいとされていた予混合・希薄燃焼技術を72センチボア大口径エンジンを実用化した。今後、DUの相生事業所内に約20億円を投資し、世界最大となる6シリンダータイプのフルスケールテストエンジンを設置し試験を行う。

開発したDFエンジンは、燃料用のガスを比較的低圧で供給することにより、運航コストを抑えられる。SCR(選択触媒還元)やEGR(排気再循環)などの脱硝装置なしで、国際海事機関(IMO)NOx3次規制をクリアし、環境への負荷を大きく減らすことができる。

また、エンジンの主燃料を重油からLNGへ変更することによりSOx排出、粒子状物質をほぼゼロにできる。高圧コンプレッサーとポンプ、大型の再液化装置などが不要で、船内プラントコストの低減が図れる。

テストエンジンを設置し商品化を進める大口径エンジン「W-X72DF」は、2017年以降、本格化する米国からのシェールガス輸送にあわせ就航が見込まれる100隻規模のLNG運搬船建造計画をターゲットとしている。投入初期は年間4~6基の納入を目指す。

また、小口径の「5RT-flex50DF」はすでに5隻の受注が決まっており、小型エンジンについては、中口径の「X62DF」も併せ、今後一般的なバルクキャリヤなど向けにも販売活動を展開する。

相生事業所に設置する大口径の舶用2ストローク型デュアルフューエルエンジン「X72DF」は、ライセンサーであるバルチラスイスの支援を得ながらIHI、DUの資金を活用して導入する。

DU独自のガス燃焼に関する要素技術開発については、国土交通省の技術開発支援事業、日本海事協会との共同研究テーマとして採択されている。

《レスポンス編集部》

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