【マツダ アクセラ 15S 試乗】ずば抜けたシャシー能力が爽快さを生み出す…森口将之

試乗記 国産車
マツダ・アクセラ
マツダ・アクセラ 全 10 枚 拡大写真

マツダのクルマはこれまでもエンスージァスティックな匂いのする車種が多かったけれど、新型『アクセラ』の1.5リットル6速MT仕様は、『ロードスター』を除けば現時点における頂点だと思った。ここまでヨーロッパの実用車に近い国産車はちょっと珍しいからだ。

1.5リットル自然吸気エンジンはスカイアクティブ化された。そのわりに111psの最高出力、14.7kgmの最大トルクは飛び抜けた数字ではない。試乗車の重量は1240kgだったから、アップダウンが連続するルートでは、全開また全開。

でもそれ以外の部分では、これまでの1.5リットルとの質の違いがはっきり分かる。上まで回してもこもったりザラついたりせず、スカッと吹け上がってくれるからだ。持てる力をフルに使い切って走ろうという気持ちになれる。

そう思わせるいちばんの理由は、シャシーの能力がずば抜けているから。ディーゼルやハイブリッドをカバーするキャパシティを備えたサスペンションに対して、上屋は軽く、力は限られている。だから足が理想の仕事をできる。

乗り心地は極上だし、ロードホールディングは底なしかと思うほど。おまけにノーズは軽いし、ステアリングのタッチは自然、シフトフィールは確実そのものだ。スカイアクティブテクノロジーの恩恵でドライビングポジションも文句なし。

これはFF5人乗りのマツダ ロードスターではないかと思った。Cセグメントのハッチバックとして水準以上の実用性や快適性を備えたうえで、とにかく爽快なドライビングを味わわせてくれるのだから。ここまで走りに熱中できる国産実用車はひさしぶりだ。しかも価格は200万円以下。これをエントリーカーに選んだ人は幸せだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性: ★★★★
パワーソース: ★★★★★
フットワーク: ★★★★★
オススメ度: ★★★★★

森口将之|モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト
1962年東京都生まれ。自動車専門誌の編集部を経て1993年に独立。雑誌、インターネット、ラジオなどで活動。ヨーロッパ車、なかでもフランス車を得意とし、カテゴリーではコンパクトカーや商用車など生活に根づいた車種を好む。趣味の乗り物である旧車の解説や試乗も多く担当する。また自動車以外の交通事情やまちづくりなども精力的に取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。グッドデザイン賞審査委員。

《森口将之》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る