【トヨタ ハリアーハイブリッド 試乗】高級感を演出した内装とHVならではの静かで力強い走り…松下宏

試乗記 国産車
トヨタ・ハリアーハイブリッド
トヨタ・ハリアーハイブリッド 全 16 枚 拡大写真
『ハリアーハイブリッド』の外観は、ガソリン車とほとんど変わらない。ハイブリッド車であることを示すエンブレムが装着されているのが異なる程度だ。今やハイブリッド車が特別なクルマではなくなったことを示している。

インテリアは高級感を演出した室内空間が作られている。高級感の演出というか、見た目の見栄えの良さは高レベルにあるし、ソフトバッドの触感なども合わせて独特の雰囲気が作られている。内装ではメーターがハイブリッド車用のものになるのがガソリン車との相違点だ。

ガソリン車のときにも書いたが、内装の仕上がりが良いだけに、ナビのスイッチが英字で表示されているのが何とも残念。日本人としての誇りに欠けたクルマ作りは容認し難い。

ハイブリッドシステムは『カムリ』用と同じ2.5リッターエンジン+THS-IIを採用し、後輪用のモーターを追加して4WD車とした。車両重量は1700kgを超えていてけっこう重いが、システムとしての最高出力は145kWに達している。これは重量ボディを引っ張るのに十分な動力性能であり、静かで滑らかな走りもハイブリッド車らしい。更にJC08モードでリッター21.4kmを達成した燃費もSUVでは群を抜く性能だ。

足回りは全体に乗り心地を重視した柔らかめの味付けとされている。高めのアイポイントと合わせてコーナーではそれなりにロールを感じるが、日常シーンでの走りはとても快適だ。

18インチタイヤ装着車と17インチタイヤ装着車の両方に試乗したが、18インチは空気圧がやや低めの設定なので、乗り心地の印象に大きな違いはなかった。

ただ、18インチタイヤの装着車は最小回転半径が5.7mと大きい。これでは何とも取り回しがしにくい。17インチは5.4mなので、この数値に抑えてほしいところだ。

新型ハリアーでは、走りの余裕を考えたら、ガソリン車よりハイブリッド車の方がお勧めである。問題は価格設定だ。ハイブリッド車はガソリンの4WD車に対して70万円ほど高く、FF車に対しては90万円くらい高い。

走りを考えたらハイブリッド車がお勧めだが、経済性を考えたらガソリン車がお勧めである。どちらを選ぶかなかなか悩ましい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★


松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「思ったよりだいぶ安い」トヨタ『GRヤリス』に新登場、エアロパフォーマンスパッケージに絶賛の声
  2. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  3. 「動画を観る」もっとも良い方法とは? トヨタ車純正ディスプレイオーディオ搭載車の場合は?[車内エンタメ最新事情]
  4. メルセデスベンツ『Cクラス』次期型を予告、光る大型グリル採用…初のEVも設定へ
  5. ホンダ初のフルサイズ電動バイク『WN7』発表、航続130km…2026年欧州発売へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る