某所で先代ルノー『カングー』と並んだ。全高はカングーが1810mm、『デイズ ルークス』は1775mm。どちらも日常で使われる“ツール”だが、日本とフランスではアプローチが異なるのが興味深い。
『デイズ ルークス』は、日本の軽のスーパーハイト系で王道をいく仕上がり。とくに天井まで1400mmも確保した室内空間の豊かさは、登録車を凌ぐほど。乗車定員こそ4名だが、この広さは1度味わうと手放せなくなるのだろう。260mmのロングスライドで後席を最後端まで下げれば、リムジン感覚のスペースも生まれる。
実用性も高い。車内の空気を回す天井部のサーキュレーターとサンシェードは、室内温度を4度下げる効果があるそうだからこれは有効。両側電動スライドドア、そして日産が打ち出すアラウンドビューモニターも、活用すると、駐車スペースに誤差なくクルマを真っすぐに停められる。運転席近くに小物入れが増えれば(配線を伸ばす必要があるが、リモコンミラースイッチをドアアームレストに移せばポケットが作れる?)さらにいい。
ターボ仕様にもアイドリングストップは欲しいところ。しかし現状で動力性能は十分で、メーター内のエコドライブインジケーターの緑の葉の数(最大3個)をなるべく多く点灯させながら走れば省燃費も実現できる。同乗者(1人+犬1匹)が後席に乗ったほうが、走行中の乗り味がよりしっとりとフラットになり、安定感が増して感じられた。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。