東芝は4月21日、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)が開発している軌間可変電車(フリーゲージトレイン)の電気品一式を納入したと発表した。
フリーゲージトレインは、2本のレール幅(軌間)が異なる線路を走ることができる鉄道車両。日本では新幹線(1435mm軌間)と在来線(1067mm軌間)の直通運転用として研究が進められており、1998年に第1次試験車両、2007年に第2次試験車両がそれぞれ製造され、走行試験が行われている。今年に入ってからは第3次となる新試験車両が完成し、4月20日から九州新幹線で走行試験が始まった。
東芝は今回、新試験車両向けの永久磁石同期電動機(PMSM)やインバーターなどの主回路システム、車両制御などの保安システム、各機器に乗務員からの指示を伝達する制御伝送装置などの電気品を納入した。新試験車両では、省スペースで高出力を確保できる新開発のPMSMを採用したほか、制御伝送装置に軌間変換制御機能を搭載。これにより従来のフリーゲージトレインより軽量化が図られ、「現在運行する九州新幹線と同等の性能を実現」(東芝)したという。