【光・レーザー技術展14】今や何でも穴開けはレーザーカットの時代へ

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レーザーカットロボットシステムが、実際にプレス鋼板の外形をカットするデモ。4kWの出力で最大20ミリ厚までの鋼板をカットできる
レーザーカットロボットシステムが、実際にプレス鋼板の外形をカットするデモ。4kWの出力で最大20ミリ厚までの鋼板をカットできる 全 4 枚 拡大写真

クルマの生産工場で鋼板をプレス成型して、外形や穴開けをスピーディに行うために使われているのがレーザーカット。ロボットの先端に装着されたレーザーカットが表面をなぞるだけで、簡単に切断や穴開けを実行してくれる。

レーザーカットロボットシステムを提供しているABBのブースには、某T社のコンパクトカーのフロントバンパーが置いてあった。こうしたインジェクション成型の製品は、外形や凹凸だけでなく穴まで金型によって実現していると思っていたら、実際にはかなりの部分をレーザーで開けているそうだ。バリなどもなく、グレードによって仕様が異なるため、加工にはレーザーカットが最適なのだと言う。

その上バンパーどころか、内装のダッシュボード、トリム、何とカーペットまでレーザーカットで仕立てていると言うから驚いた。実際にカットされた見本をみると、様々なプラスチックや金属のほか、毛足の長いカーペットまでキレイにカットされている。

実際には鋼板に使っているのはファイバーレーザーと言って光ファイバーでレーザーを伝えるタイプのレーザーで、カーペットやプラスチックはレーザーの波長が異なるCO2レーザーという炭酸ガス中を通すタイプのレーザーを使っているそうだ。

ちなみにデモで動かされているレーザーカットのマシンは、トータルで1台4000万円ほど。4kWのレーザー発振器が費用の大半を占めるそうだが、一昔前はレーザー発振器は1kWあたり1億円と言われたらしいので、これでも大分価格もこなれたらしい。

溶接やプレスなどモノコック作りはロボットが行っていることは知っていたが、今や内装材までロボットがカッティングする時代なのであった。

《高根英幸》

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