【MINI クーパー/クーパーS 試乗】ゴーカートフィーリング健在、使いやすさもアップ!…竹岡圭

試乗記 輸入車
新型 MINI クーパーS
新型 MINI クーパーS 全 22 枚 拡大写真
「先代との共用部品はゼロです。オールウェイズ・デザイン・ファースト、とにかくデザインが常に最優先。ただし妥協も必要だから、80%がデザイン優先、20%が人間工学的にいちばんいい方法を見つけるという感じかな?」と開発者が語る通り、3世代目ミニはすべてが新しい!

全長3821mm、全幅1727mm、全高1414mm(全長+98mm、全幅+44mm、全高+7mm)と、ボディサイズはひと回り大きくなったけれど、その姿はどこからどう見てもやっぱりミニ。東京モーターショーの会場で見たよりも、いい意味で大きさを感じさせずに、なおかつ存在感があって、私の中での印象はグッとよくなりました。今回はカリブ海に浮かぶ島、アメリカ自治区であるプエルトリコでの試乗となりましたが、日本の街並みにもきっと似合うと思いました。

インテリアはユニークさがヒートアップ。イルミネーションを上手く使い、ミニと対話しているかのようなワクワク感が増大。BMWミニになってからの初代(R50型)、2世代目(R56型)と乗り継いできた私としては、3世代目はより楽しく使いやすくなったな~という印象だったんです。

例えばウィンドウスイッチはドアトリムに移動したし、カギはいちいち水平にセットしなくても、カバンに入れたままトグルスイッチの中央に設けられたスタートスイッチでエンジンが始動できる等々、利便性がかなり上がったんですよね。ちなみにこのエンジン始動のトグルスイッチは、上げても下げてもエンジンがかかるというところにも、ミニっぽいラフさが感じられて好印象でした(笑)。

見た目でのいちばんの変化は、センターにあったスピードメーターがステアリングの前に移動したことでしょう。そのスピードメーター部の右端が、そのまま燃料計になっているというのもなるほどユニーク。さらにスピードメーターがあった中央部は、周囲にLEDリングが施されたマルチインフォメーションディスプレイになっていて、いろいろなことを音と絵で知らせてくれるのも楽しいんですよね。

エアコンの温度調整をしてもグラデーションで色が変わるし、また今回から取り入れられたミニドライビングモード(ペダル反応性、ステアリング特性、シフトスケジュール、エンジン出力をGREEN→MID→SPORTの3段階で変えられるシステム)を変更しても色が変わるし、オマケに先代でも天井に設けられていたアンビエントライトが、ドアトリム周りにもあしらわれ、これも色が変わるしと、イルミネーションがメチャクチャ凝っているんですよね。これまた気分が変わって楽しいこと請け合いです。

さて、ミニの楽しさと言えばやはり走りにあると思いますが、今回もしっかりゴーカートフィーリングしてました。というよりも、初代に比べて上品になったと言われた2世代目よりも、原点回帰したかな?という感じ。乗り心地的なフィーリング的で言ったら、初代と2代目の中間といったところでしょうか。それじゃカタイじゃん!という向きには、ダイナミック・ダンパー・コントロールなるものも用意されてまして、これを使うと非常にしなやか。今回の穴ボコだらけのプエルトリコの道でもそう思ったのですから、日本のキレイな路面なら間違いなく快適に普段使いできるレベルです。

エンジンは、クーパーが直列3気筒1.5リットルターボエンジンと、クーパーSが直噴4気筒2リットルターボエンジンを搭載。どちらも6MT&6ATが用意され、アイドリングストップシステムも完備されます。今回は燃費を重視したということもあり、バカッ速!というフィーリングではありませんが、低回転域のトルクよりも高回転域の爽快さを重視したミニらしいセッティングは受け継がれ、楽しい1台に仕上がってました。特に、グイグイ曲がるコーナリングは圧巻!ステアリングをワザと切り遅れてみたところで、クイ~ッとオンザレール感覚で曲がってくれるので、誰もがすぐにミニの世界を味わえちゃいます。これはちょっと、これまでのミニオーナーも買い替えたくなっちゃう進化ですよ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★


竹岡圭|モータージャーナリスト・タレント
「クルマ&カーライフは楽しくなくっちゃネ!」をモットーに、さまざまな媒体で「喋って・書いて・走って」を実践する女性モータージャーナリストとしてカーライフ全般を女性の視点からレポートする。モータースポーツでも、耐久レースやラリーレイドなど数々のレースに参戦するなど、硬軟幅広く携わる。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J.)理事、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

《竹岡圭》

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