【トヨタ アクア 試乗】燃費争いは不毛だが快適性は確実に向上…松下宏

試乗記 国産車
【トヨタ アクア 試乗】燃費争いは不毛だが快適性は確実に向上…松下宏
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トヨタ『アクア』が改良を受け、ホンダ『フィット』に一時的に奪われていた燃費世界一の座を奪還するとともに、乗り心地の向上させて静粛性を高めるなどの進化を見せてきた。

燃費世界一の争いといっても、アクアとフィットの燃費の競争は、傍(はた)から見るとほとんど不毛な争いである。

アクアの燃費は1080kgという重量区分ギリギリのところで得たもので、何らかのオプションを装着したり、寒冷地仕様を選んだりしたら、区分が変わってカタログ燃費はすぐに悪くなる。

フィットにしても同様で、燃費が良いのは後席中央にヘッドレストレイントのない一体式シートを備えた仕様。売る気のないグレードによって得られたカタログ燃費なのだから、ほとんどインチキである。安全装備を削ってまで燃費を良くすることに、どんな意味があるというのだ。

まあどちらもリッター30kmを超えるような優れた燃費性能を実現しているのだから、こんなつまらないカタログデータの争いをすることはない。ユーザーの顔が見えないようなところで世界一を争っても、それは技術者の独りよがりである。

燃費の話はともかく、アクアはマイナーチェンジでけっこう良くなった。良くなったのは振動や騒音、乗り心地などの部分である。発売された当初のアクアはこれらが丸でダメで、半分くらいまで買いたいモードなりかけていた私は、乗った瞬間に買う気をなくしたものだった。

それが今回の改良でかなり改善されていた。コンパクトクラスなので、振動や騒音が改善されたといっても上級車のようにはいかないが、このクラスのクルマとして満足できる水準になったと思う。

安っぽい振動や騒音が遮断され、路面からのショックも適度にいなされて乗り心地が改善されているからだ。

アクアは2013年の販売ランキングで首位に立った。今回の改良で改めてトップ争いを続けられるクルマになったといえる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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