【MINI クーパー 試乗】MINIらしさと大人っぽさと…青山尚暉

試乗記 輸入車
新型ミニクーパー
新型ミニクーパー 全 16 枚 拡大写真

2013年の東京モーターショーでワールドプレミアを果たした"NEW"として 3代目となる新型『MINI』がいよいよ日本の道を走りだした。

新型の大きな特徴はアイコニックなデザインはそのままに、ボディはひと回り大きくなりついに3ナンバー化(全幅1725mm)された。MTで19.2km/リットル、 6ATで17.9km/リットルの燃費性能を誇る、アイドリングストップ付き3気筒1.5リットルターボエンジンの採用(エコカー減税)に象徴されるように 、環境性能にもとことんこだわりを見せたところもトピックだ。

ルックスはどこから見てもMINIそのもの。オーナーじゃないと先代との違いは分からないかも。でも、それがMINIのMINIたるゆえん。インテリアでは速度&回転計をセンターからドライバーの正面に移動。センターには8.8インチのナビや各種インフォメーションを表示する、丸形の巨大ディスプレーが備えられているのが新型らしい部分だ。

ホイールベースの延長で後席の居住性にゆとりが出たこともニュースのひとつ。身長172cmのボクでもそれほど窮屈な思いをせず着座できるようになった。

また、MINIとして初のリヤビューカメラ、純正ETC(ルームミラー一体式) も装備。”ぶつからないMINI!?”と呼びたくなるドライバーサポート機能&各種安全装備もテンコ盛りである。

試乗したのは「クーパーS」より顔つきがちょっとおとなしめな「クーパー」の 6ATモデル。

おなじみのズラリと並ぶトグルスイッチのひとつでエンジンを始動させれば 、アイドリングではほんの少し3気筒らしい鼓動を感じさせるものの、走りだしてからは4気筒かっ?と思えるほどリミット近くまで気持ち良くウルトラスムーズに回りきる。1200kgの車重に対して136psのパワーは十分で、例えば箱根ターンパイクの登りでもグイグイ行ける。先代の1.6リットルNAエンジンよりトルキーで速いのはもちろんだ。

それにしても新型MINIは大人になった。MINIと言えばゴーカート感覚の路面に張りつくようなダイレクト感ある走りっぷりが伝統だが、エンジン出力、レスポンス、ステアリング特性、シフトスケジュールを可変できるオプション (4万4000円)のミニドライビングモード(GREEN/MID/SPORT)をMIDにセットすれば、ミニ史上もっともフラットかつしなやかかつ快適で上質と言えそうな乗り心地と、ミニならではのクイックな操縦性&オン・ザ・レールなフットワークを見事に両立してくれるのだ(可変ダンパーのオプションも7万7000円で用意される)。

とはいえ、SPORTにセットすれば、巨大なディスプレーに「ゴーカードのような走りになります」みたいな文字が表示されるぐらいで、エンジン、足回りはがぜん、スポーティーに…というかMINIらしくなる。MIDモードで足回りがしなやかにいなした道でも、それこそ"心地良く"コツコツ 跳ねるゴーカート感覚、より強いオン・ザ・レール感覚の走りを堪能できる。新型MINIはそんな二面性、より幅広いユーザーを魅了する懐の深さの持ち主と言える。

ちなみに192psとなる4気筒2リットルターボのクーパーSの燃費性能は17.6km/リットルだから、この1.5リットルのクーパーの17.9km/リットルとほとんど変わらず。価格は6ATモデルの場合、クーパーの280万円に対して332万円。 しかしクーパーSは8.8インチのナビが標準(クーパーはオプション18万8000円)と、価格差が縮まるから悩ましい…。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★
ペットフレンドリー度:★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

《青山尚暉》

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