【フォード クーガ 試乗】元気維持に貢献するキレっキレの走り…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
フォード クーガ タイタニアム
フォード クーガ タイタニアム 全 16 枚 拡大写真

『クーガ』の持ち味は、SUVにしてはキレっキレの走りである。『フォーカス』や、コンパクトな『フィエスタ』にもつながるこのシャープさは、フォードならではの持ち味だ。

そして気になるのは、このシャープな乗り心地で長距離を走らせても大丈夫なのか?というもの。ハンドル操作への反応はもとより、アクセルにもしゅたっと反応してクルマが加速するため、長距離で疲れてきたら、わずらわしくなるのではと考えたのだ。

よせばいいのに、東京では桜も散った春の日に、スタッドレスタイヤを装着したクーガを走らせて高速道路を北上してみた。いやな予感は的中して、寒冷前線の通過とともに予想通り雪道初心者にはつらい雪。ただ、走行時間帯はドライ路面である。

結論から書こう。キレっキレの走りはわずらわしいどころか、元気維持に大きく貢献してくれた。クーガはなにせ、アクセルへの反応がすさまじい。単に加速するのではなく、ギアの選択や、サスペンションのしなり方など加速するための条件を瞬時に整える感じがするのだ。このキレのよさは潔く清々しくあり、大きなSUVでありながら自分の思い通りに動くことに優越感がつのっていく。その思いを増幅させるのが、ティタニアムに採用されたロール・スタビリティコントロールだろう。SUVにありがちな背の高さでボディが左右へ大きくふられることもなく、ワインディングの安定感がなんとも心地いい。

さらに、フォード独自のマニュアルモードスイッチも面白い。多くはパドルシフトにしたり、シフトレバーそのものを前後左右に動かしてマニュアル操作をするところ、シフトレバーにつけられた「+」と「-」のスイッチを操作する。短時間の試乗だと、慣れないせいもあり使いにくいのだが、高速道路や直線の一般道でシフトダウンしたいときなど、このスイッチがしみじみ使いやすい。

結果として、500km走らせてもなお、疲れるどころか、まだまだ走りたい気持ちにさせられる。ちなみに、燃費はカタログ値のJC08モードで9.5kmのところ、高速8割の走行で11.8km。後部座席のシートはうすっぺらくて不満だけれど、乗員2人メインで遊びに行くには十分である。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/エッセイスト
女性誌や一般誌を中心に活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に精力的に取材中するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。JAF理事。チャイルドシート指導員。国土交通省 安全基準検討会検討員他、委員を兼任。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

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