【ホンダ ゴールドウイング F6C 試乗】軽量シャシーと大排気量フラット6がもたらす強烈な走り…和歌山利宏

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ホンダ ゴールドウイング F6C(和歌山利宏)
ホンダ ゴールドウイング F6C(和歌山利宏) 全 10 枚 拡大写真

『ゴールドウィング』は、1975年の水平対向4気筒の『GL1000』に端を発し、1988年に6気筒化された『GL1500』、2001年には現行の『GL1800』へと発展してきた。

フルドレス・ラグジュアリーツアラーとして一つの文化を築き上げ、ゴールドウィングは単なるモデル名ではなく、一つのカテゴリーとして認知されていると言って過言ではない。

そんなゴールドウィングGL1800に、昨年の『F6B』に続き、今回、『F6C』という派生モデルが登場した。F6Bは、バガースタイルというカスタムルックをまとい、装備も簡素化して30kg余り軽量化したスポーティでダイレクト感のある乗り味のツアラーだが、このF6Cはツアラー装備を廃したパフォーマンスクルーザーで、車重はさらに40kg余り軽量で、GL1800から75kgも軽い。

ライポジも足着き性も、他の2モデルと微妙に違うとはいえ、さほど大差があるわけではない。ライポジはリラックスモードの標準形としていいし、シート高は低くても足着き性はミドルクラスのロードバイク並みとはいえ、フラットシックスならではの低重心感があって、足着き時に安心感がある。

でも、跨ったときの重量感には、車重の差が明確に現れている。跨り、サイドスタンドで傾いた車両を起こすとき、GL1800ではちょっと気合いが入り、30kg軽いF6Bでさえ少々は体力が必要になろうが、このF6Cは大型クルーザーとしての印象の範疇にあり、街中に乗り出し足代わりに使う気にもさせられるのだ。

だから走り味も、いい意味での重厚感が抑えられ、爽快な快適感に満ち溢れている。安定感に満ちた巨漢を軽快に駆っていく面白さがあるGL1800、重厚感と軽快感が織り交ざったF6Bに対し、このF6Cはスポーツを思わせる。キビキビと舵角が入って向きを変えていくのは、このシリーズの他モデルにはないスポーティさだ。

それでいて、ベースがあのGL1800であることも伝わってくる。ツインスパーフレームらしい安定性が、乗り手に安心感と自信を与え、どこまでも走っていきたくなる持ち味がある。ベースに安定感があって、自身がリズムに乗ることで、運動性を取り出せるとでも言えばいいだろうか。

そして、唯一のフラットシックスはウルトラスムーズで、その吹き上がり感には胸がすく思いだ。しかも、車重が軽いこともあって、他モデルよりも加速感が強烈だし、国内モデルの最高出力は他モデルより高く、海外向きとも大差なく、F6Cにはパフォーマンスクルーザーとしての魅力が溢れている。

《和歌山 利宏》

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