【INDYCAR 第4戦】波乱のインディアナポリス・ロードコース戦はパジェノー優勝、琢磨9位

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
スタートで大きなアクシデントが発生するなどしてしまったインディカー第4戦。写真:INDYCAR
スタートで大きなアクシデントが発生するなどしてしまったインディカー第4戦。写真:INDYCAR 全 8 枚 拡大写真

インディカー・シリーズ第4戦の決勝レースが、現地時間10日にインディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースで実施され、ホンダエンジン搭載車のシモン・パジェノーが今季初優勝を飾った。佐藤琢磨は9位。

米国最大のモータースポーツイベントであり、F1モナコGP、ルマン24時間と並ぶ世界3大レースに数えられるインディ500(今季第5戦)を目前にしたタイミングで、今年は同じインディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースを舞台にシリーズ第4戦を開催するというスケジュールが組まれた。このロードコースはかつてF1アメリカGPを開催していたコースのモディファイ版といえ、インディ500でも走るオーバルの一部も使った全長約2.4マイルのコースとなっている。

82周の決勝レースは、ポールポジションのセバスチャン・サベードラ(#17 KV AFS Racing/エンジンはシボレー)がスタンディングスタートで動けなかったこと等に起因する大クラッシュで幕を開け、その後、レース中盤にもフルコースコーションが相次ぐ荒れた展開に。その結果、各車のピット戦略も入り組み、初コースでの戦いということもあって、誰が真実のトップなのかが見えにくい戦い模様となっていく。

迎えた終盤、トップに立ったのはパジェノー(#77 Schmidt Peterson Motorsports/ホンダ)で、2位はライアン・ハンターレイ(#28 Andretti Autosport/ホンダ)。ただ、この2台は最終のピットタイミングから見て、おそらく燃費的にギリギリもつかどうか。3位のエリオ・カストロネベス(#3 Team Penske/シボレー)には燃費の心配がなく、彼は上位2台を追いかけていく。最終ラップは観る者すべてがスリリングな思いを共有するような神経戦となったわけだが、バジェノーは首位を保ったままゴールを果たし、今季初優勝を達成した。

「マシン、そしてエンジンが最高だった。燃費をセーブしての走りでも、素晴らしい数字(タイム)を僕たちは実現できていたんだ。神経をすり減らしての戦いだった。ライバルたちがどれだけの燃料を残しているのか、どれだけのスピードを有しているのか、最後まで分からなかったからね」と、この日の戦いを振り返ったパジェノー。「マシンが素晴らしい仕上がりだったからこそ、あのような走り(燃費を気にかけつつも速く走ること)ができたんだと思う。クルー全員に感謝したい。初めて開催されたグランプリ・オブ・インディアナポリスのウイナー。こんなに名誉なこと、そしてうれしいことはないよ」と、その喜びを語っている。

2位は前戦優勝のハンターレイで、ホンダ勢が1-2、2連勝となった。シボレー勢最上位は3位のカストロネべス。ポイントリーダーのウィル・パワー(#12 Team Penske/シボレー)はこの日8位だったが、ハンターレイに1点差でその座を守った。ポイント3位はパジェノーで、パワーとは6点差。

「本当にいろんなことが起きたレースだった」という琢磨(#14 A.J. Foyt Racing/ホンダ)は、この日最終的に9位。予選16位だったことを思えば好結果だが、スタート時にアクシデントの破片でマシンを損傷し、レース中盤の再スタート時にも破片が飛んできて「右は壁、左は他車が並走していたため(ハンドル操作で)避けることができず、何とか頭を動かして破片を避けられた。その破片はヘルメットをかすめていき、ヘッドレストに大きな穴を開けた」という危うい出来事まであった、波乱万丈の展開だった。10年前のF1アメリカGPでの3位に続く当地での表彰台獲得はならなかったが、「厳しいレースではあったけど、良い内容の戦いができていたと思う。これはチームが力を発揮してくれたおかげ。彼らにありがとうと言いたい」とポジティブに振り返り、琢磨は次戦インディ500に目を向ける。

シリーズはこのままインディアナポリスでのインディ500の戦いに突入、その決勝は現地25日に開催される。今季は開幕戦ポール獲得以降もうひとつ波に乗れていない琢磨だが、一昨年あと一歩で優勝まで迫った大舞台での飛躍と悲願成就に期待がかかる。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. 日本にはないアバルトの高性能SUV、『パルス アバルト』が大胆イメチェン!
  4. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  5. 【BYD シーライオン7 新型試乗】全幅1925mmの堂々サイズも「心配無用」、快適性はまさに至れり尽くせり…島崎七生人
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る