【人とくるまのテクノロジー14】コスワースが提案するドライビングの新しい楽しみ方

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スーパーフォーミュラ用マシンのステアリング
スーパーフォーミュラ用マシンのステアリング 全 2 枚 拡大写真

コスワースと言えば、モータースポーツ界の大御所。70年代のF1エンジンを始め、高性能なエンジンの開発やピストンメーカーとしてあまりにも有名だ。現在はレース部門と市販車部門が分離、独立されているようだが、それでも技術力の高さは変わらない。

人とくるまのテクノロジー展の英国パビリオンにコスワースの文字を見つけたので覗いてみると、そこにはエレクトロニクス系アイテムが。トップカテゴリーのレーシングカー用と思われるステアリングホイールと共に、様々な機器が並んでいる。日本代理店のル・マンによれば、これらはコスワースのグループ企業の一つであるエレクトロニクス部門の製品で、ステアリングは日本のスーパーフォーミュラで使われているもの。触らせてもらうと、パドル操作の節度感の高さと、見た目よりずっしりとしていると感じる。

その傍らにはエンジンマネージメントシステムやデーターロガー、それと何やらUSBやムービーの入出力端子をもつデバイスが並んでいる。aliveDRIVEと名付けられたこのデバイスこそ、注目のアイテムだ。

展示されていたのはパフォーマンス・データ・モジュール(PDM)と呼ばれるもので、このPDMと高解像度のカメラユニットである高解像度モジュール(HDM)の2つを組み合わせることでaliveDRIVEのシステムは構成されている。

PDMにはHDMから高解像度のドライバー視界の映像、そして車内ネットワークを通じてエンジンや走行データを取り込み、走行後に車載のモニターでそれを統合して表示することができるのだ。その画面はまるで実車版グランツーリスモ5といった感じ。さらにPCなどにダウンロードして専用ソフトによりドライビング・パフォーマンスを解析することが可能だ。これはサーキットなら最高速度やラップタイムのほか、各セクターごとのベストタイムを組み合わせた理論上の最速タイムを目標値で算出したり、各コーナーでのスピードやギアポジション、アクセルやブレーキの操作状況なども表示することもできるらしい。

これらをSNSにアップロードして、友人らと映像データをシェアするだけでなくドライビングの内容について語り合うこともできる。リアルなドライビングをバーチャルな空間でも分析して、その腕前を競い合えるのである。

これがコスワースが提案する新しいドライビングの楽しみ方なのだ。今後、どういう方法で市販車に搭載されるようになるのか期待したい。

《高根英幸》

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