【人とくるまのテクノロジー展2014】座るだけで健康管理ができるシート デルタツーリング

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ドライブカーシートとして展開する『Mu-Len』に、プロトタイプとして「スリープバスター」の機能を埋め込んだ
ドライブカーシートとして展開する『Mu-Len』に、プロトタイプとして「スリープバスター」の機能を埋め込んだ 全 10 枚 拡大写真

広島県に本拠を置くデルタツーリングは、シートに座るだけで脈拍数や健康状態のモニタリングから、ドライバーの健康管理ができる居眠り運転警告装置「スリープバスター」を組み込んだドライブカーシート『Mu-Len(ミューレン)』の改良型を参考出品した。

「スリープバスター」は、シートの上に載せるメッシュ状のマットに体表脈検知センサーを組み込んだもので、眠気や疲労の発生を検知して警告音や「喝ッ!」というメッセージでそれを知らせる。警告は体調の急変/入眠予兆/切迫睡眠/瞬眠の4段階で行い、その状況はモニター上でも確認できる。主として、バスやトランクの運転手用として利用され、平成22年度国土交通大臣賞を受診したほか、平成25年度には文部科学大臣からの表彰も受けている。価格は15万円。

今回参考出展したのはこの機能を、同社がドライブカーシートとして展開するミューレンに組み込んだものだ。ミューレンには、走行振動を分散吸収するだけでなく、通気性と保温性を両立させた特殊な素材を使用。長時間走行でも優れた疲労軽減効果をもたらす。また、このシートはJ1リーグの広島サンフレッチェのスタジアムシートにも昨年採用され、選手達から好評を得ているのだという。組み込んだ機能はスリープバスターと同じだ。

会場ではこの効果を実際に試すことができた。座ると自動的に4分28秒からのカウントダウンが始まり、1分ほど経つと大まかな結果を知らせる。そして「0」に近づくに従い、より精密な判断が行われる。この日の結果は、最初は「良好」だったものが、担当者と話しているうちに「注意」から「警告」に変化。しばらく話さず、おとなしくしていると再び「平常」に戻った。要は、運転に支障が出るほど夢中になって話していたと言うことか?

2営業部部長 氏本卓志氏によれば、「頻発するトラックやバスの事故を受けて、事業者側から数多くの問い合わせと販売実績を得てきたが、同時に警告音とメッセージの組み合わせで行っている仕様をもっと強力なタイプにして欲しいとの声が出ている」という。今回の出展はあくまで、広島サンフレッチェにスタジアムシートとして採用されたことを記念して作成したもの。商品化の予定は未定だという。

デルタツーリングの親会社「デルタ工業」は、「地場であるマツダへシートを供給するティアワンのメーカーであり、『CX-5』や『デミオ』など全体の6割近くを占める(2営業部部長 氏本卓志氏)」のだという。デルタツーリングとしては、今後もこうした独自企画の商品を手掛け、アフターマーケットでの市場拡大に努めていく考えだ。

《会田肇》

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