1日、オートポリス(大分県)で開催されたSUPER GT第3戦決勝のGT300クラスは、ホンダCR-Z対スバルBRZの一騎討ちによる優勝争いとなり、この戦いを制した高木真一&小林崇志のARTA CR-Z GTが今季初優勝を飾った。
GT500のトップ争いがミシュラン(MI)勢のGT-Rによるマッチレースなら、GT300はMIを履く#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太&井口卓人)と、ブリヂストン(BS)タイヤで走る#55 ARTA CR-Z GT(高木&小林)の真っ向勝負。ポールから逃げたのは#61 BRZだったが、両車がピット作業を終えると#55 CR-Zが逆転しており、そのまま後半戦へ。高木からバトンを受けた小林は、追う井口に対して10秒近い差をつけてゆく。
ところが終盤、GT500が50周目を迎える頃に、GT300のマシンの1台がタイヤバリア及びガードレールの先まで飛んでしまう大きなアクシデント等が1コーナー付近であり、対処のためにセーフティカーが導入される。これで#55 小林のリードはほぼ帳消しとなってしまった。しかし、再開後も小林は先頭をしっかり守って、今季初優勝を現実のものとする。
実はスタート前にガソリンのオーバーフローというトラブルがあり、さらにはクールスーツ(ドライバー冷却機構)が故障した状態でレースに臨む苦しさも抱えつつの勝利だった#55 CR-Z。しかし「スタート前にトラブルが出たのは、運があったということかもしれない」(高木)とボジティブに切り替え、「満タンでスタート。ピットイン時期を先に延ばすという判断が良かった」(小林)こともあり、彼らは見事に勝利を得た。陣営にとって昨年第4戦以来の勝利を、高木は「今回の勝因は何といってもブリヂストンタイヤが最後までしっかりもってくれたことと、スタッフがマシンを(いい状態に)仕上げてくれたこと、そしてエンジンのパフォーマンスが高かったこと」と総括している。
2位は#61 BRZ。3位争いも激戦だったが、メルセデスの#11 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸&B.ビルドハイム/ダンロップ)が#3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹&L.オルドネス/ヨコハマ=YH)を下して、開幕から3位~2位~3位と連続表彰台キープに成功した。開幕2連勝の#4 グッドスマイル 初音ミク Z4(谷口信輝&片岡龍也/YH)が今回16位で無得点だったため、平中組はドライバーズポイントでトップの谷口組に3点差と接近している。
今回の4位は#3 GT-R。5位には昨年のチャンピオンマシン、#0 MUGEN CR-Z GT(中山友貴&野尻智紀/BS)が入った。6位は#86 クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3(細川慎弥&山西康司/YH)。
SUPER GT第4戦は宮城県のスポーツランドSUGOに舞台を移し、7月19~20日に開催される。