【NEW環境展14】走りながら道路を除染、トレーラーで実証実験へ

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花見台自動車が開発した大型移動式除染車。全長11.9mだが、トレーラーなので比較的小回り性もいいそうだ
花見台自動車が開発した大型移動式除染車。全長11.9mだが、トレーラーなので比較的小回り性もいいそうだ 全 4 枚 拡大写真
まだまだ復興への道のりは長い福島県。そんな福島のボディメーカー花見台自動車が、環境展に興味深い車両を展示していた。全長11.9mでボディカラーはイエロー、後部には巨大なタンクと、何ともインパクトのある車両だ。その雰囲気から単にモノを運ぶだけのトラックではないことは伝わってくる。これは走行しながら道路の除染ができる大型移動式除染車だ。

この車両は福島県のグループ補助金によって企画開発されたもので、いすゞのトラクターヘッドを改造して作られている。ホイールベースを延長して油圧装置を搭載、PTOによってエンジンの駆動力を取り出し、油圧ポンプを駆動して作業用動力に変換している。トレーラー部には洗浄水と汚水のタンクを搭載、30MPaの高圧で水を噴射しながらブラシのように回転する4連ノズルを4基備え、洗浄と同時に強力に吸引して汚水をタンクに集める仕組みだ。

作業中の走行も油圧によって行うため、時速0.25kmという極めて低速の走行を可能にしている。「除染しながら移動する場合、速度は0.3km/h以下が効果が高い、というデータがあるのです」と語るのは、花見台自動車の能條幹也専務。1年という短期間で開発するために、油圧装置など作業機器はドイツ製を組み合わせて搭載しているそうだ。

これから実際に公道を洗浄して、どれだけの除染効果があるのか実証実験を始めると言う。移動しながら除染ができることで、道路や広い敷地の除染はかなり効率が向上する。福島県内でも道路の放射線が高いところを走り尽くし、その後は高機能舗装の清掃などに役立ててほしいものだ。

《高根英幸》

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