前方の障害物や車両との距離や相対速度から衝突の危険があると判断すると自動的にブレーキをかけてくれる衝突事故軽減装置は、渋滞時の追突事故など注意不足による交通事故を未然に防いでくれる効果が高い。
「衝突事故軽減装置に興味はあるが、今の愛車にもまだ乗り続けたい」そんなオーナーも少なくないのでは。運輸システムEXPOに出展していたジャパン・トゥエンティワンのモービルアイは、自動でブレーキの作動まではしてくれないが、衝突の危険を警告してくれる後付けの衝突防止補助システムだ。
使われているのは、日産の『エクストレイル』や『ノート』、BMW MINIや『i3』にも使われている単眼カメラ型の解析システムだ。どうして単眼カメラだけで前方の車両との距離が分かるのか、その仕組みを説明してもらった。簡単に言えば、水平線と前車のタイヤ接地面との高さから割り出しているらしい。そして自車の車両情報はCANなどで取り入れ、危険を予測してくれるのである。
前方車両と2.7秒以内に衝突の危険があると警告してくれる。単純に車間距離だけでなく、相対速度などで解析した結果なので、自動車メーカーが新車に搭載しているものと精度は変わらない。と言うのも使われているシステムも同じものだからだ。しかも前車との衝突警報だけでなく、歩行者や自転車、オートバイも認識して警報するし、車間距離が短すぎたり、車線を逸脱しそうになっても警報してくれる。
実際に画像処理チップがカメラ画像をどのように認識し、警告を行っているか、液晶モニターでデモを行っていたが、これが実に高度で信頼性も高そうな印象。実は自動車メーカーは、このシステムにも使われているオランダのモービルアイ社のEyeQ2画像処理チップとカメラシステムを購入し、ブレーキと組み合わせているのだ。したがって後付けする場合、装着位置や車両の大きさなどの情報をインプットするため、専門業者によるセットアップが必要なのも、当然のことだ。
価格は12万5000円から(税抜き)と決して安い商品ではないが、後付け出来るメリットを考えれば割高とは言えない。何より1度で衝突事故を回避できれば元は取れるのだ。