【NEW環境展14】「電線マン」で新たなビジネス、試作部品会社のアスク

自動車 ビジネス 企業動向
極細径のハーネス線専用機「電線マンADM-K01」
極細径のハーネス線専用機「電線マンADM-K01」 全 3 枚 拡大写真

穴に電線やハーネス線を通しただけで、きれいに銅線が剥がれる。その名も「電線マン」。大阪府枚方市に本社を構えるアスクが開発した廃電線被覆剥離機だ。

【画像全3枚】

同社は自動車や医療機器などの試作部品を製作する精密加工会社で、その技術力とスピードには定評がある。しかし、リーマンショックで受注が減り、大きなピンチに。そこで、これまで培ってきた技術を使って自社製品をつくることになった。

コンセプトは「環境に優しく、福祉に役立って、社会に貢献できるもの」。試行錯誤の末、生まれたのが電線マンだった。「これまで電線剥離機は大量に処理を行う、設置型の大きなものばかりで、小さなものがなかった。これは持ち運べる大きさで、処理も1本1本を行う。5mm以下の電線に対応しているのはうちの商品だけ。そのうえ、誰でも簡単に使えるようにした」と同社関係者は説明する。

細い電線を剥ぐのは手間がかかるので、今まで捨てられることが多かったが、この製品によってほんの数秒で銅線だけを取り出すことができ、資源の有効利用が図れるようになった。昨年には「優秀環境装置賞」で中小企業庁長官賞も受賞した。

「その審査で、実際に使われている現場を見たいというので、福祉施設に案内したところ、障害者が銅線をスムーズに剥ぐ姿を見て、審査員は感激していました」と当時の様子を話す。

これから海外にも打って出るそうで、今週タイで開催予定の展示会に出展する予定だ。電線剥離機は市場が小さいニッチな分野だが、そこでアスクは存在感を高めつつある。

《山田清志》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ハイエースの牙城を崩すか、個性的デザインの「EVバン」が日本上陸…キア『PV5』発売は2026年春
  2. スズキが新型「軽EV」を世界初公開へ、2026年度内に量産化、軽商用EVも…ジャパンモビリティショー2025
  3. 寂しさ45%、読者の感情:レクサス『LS』生産終了…「時代の流れ」「次への期待」が交錯
  4. ヤマハ発動機が新型3輪オープンカー、「AIで成長する」2輪車を世界初公開! 大型EVバイクなど16モデルずらり…ジャパンモビリティショー2025
  5. Z32ファン感涙、レトロ感あふれる『フェアレディZ』が話題…9月の新型車記事ベスト5
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る