日産自動車が6月9日に発表した電動商用車『e-NV200』には、パワープラグと名付けた車載バッテリーから最大1500Wの電力を外部へ供給できる機能が日本市場専用の装備として設定されている。
このパワープラグは前席中央と荷室側の2か所にあり、100V電源を合計で最大1500W取り出すことができる。バンのGXグレードおよびワゴン仕様に標準装備している。
e-NV200の日本市場向け商品企画を担当する東美津江リージョナルプロダクトマネージャーは「実証実験を行ってきた中で、外部への電源供給に対するお客様のニーズがあり、これはむしろ『売り』になりそうだということで、日本リージョンの商品企画から開発部門にお願いをして設定してもらった」と明かす。
e-NV200は日本および欧州を中心に販売されるが、東氏によると欧州仕様にはパワープラグの設定がないという。「取り出せる電力が日本の家電製品の規格にうまくあった。欧州の場合はそれが難しいため、日本オリジナルの装備になった」と東氏は説明する。
さらに東氏は「ビジネスでの外出先でのパソコンやプリンターの使用、地域イベントでの電源供給、また災害時の避難所での電源供給など様々なシーンで使える」とした上で、「e-NV200は車を売るというだけではなく、パワープラグシステムによってビジネスの効率化、新しい価値を提案できる」と強調した。