三井造船、天然ガスを燃料とした舶用低速ディーゼル機関を発受注

航空 企業動向
ME-GIエンジン
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三井造船は、電子制御式ガス・インジェクション・ディーゼルエンジン(ME-GI)を初めて受注した。

このME-GIエンジンは熱効率の高い大型 2 サイクル低速ディーゼルエンジンでありながら、使用燃料として天然ガス及び重油両方を使用できる二元燃料(Dual Fuel)機関だ。

中小型エンジンに採用されている燃焼方式のガスエンジンでは、ガス運転時の出力制限や負荷変動によるノッキング・失火などの問題があった。そのため、船の推進システムとして高効率であるが故に、ほとんどの外航船船舶に採用されているプロペラ軸直結システムへの適用は困難だったが、ME-GIエンジンでは可能となっている。

天然ガスは、SOxやCO2排出量の大幅な削減が可能で、NOxやPM排出量の削減も期待されることから、環境に優しい燃料であり、またシェールガス開発により経済性においても優れていることから、現在主流である重油に変わる舶用燃料として注目されている。

今回のME-GIエンジンは、米国船主であるCrowley Maritime Corporation向けに VT Halter Marine Inc.(米国造船所)が建造する Container/RORO 船2隻(約 2400 TEU/約400台積、1基1軸)に LNG燃料船の主機関としてMAN B&W 8S70ME-C8.2-GIが搭載される。

同社は、1994 年に千葉事業所内に世界初の低速ガス・インジェクション・ディーゼル機関(GIDE)発電設備を完成させ、約2万時間の運転を実施し、性能・耐久性の確認ならびに運転ノウハウを蓄積してきた。また、2013年4月には国内で初めて舶用低速ディーゼル機関のME-GIとしてデモンストレーション運転を実施し、ME-GIの製造・運転体制を確立した。

今回同社初のME-GI受注を達成し、今後も販売・供給実績を積み上げたい、としている。

《山内 博》

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