日本造船工業会の佃会長「警戒感を解くには時期尚早」…会長在任1年間の所感

船舶 企業動向

日本造船工業会の佃和夫会長は、新造船の受注が増加しているものの「市況回復・成長の局面に入ったと警戒感を解くには、時期尚早である」と、会長在任1年間を振り返っての所感で示した。

海運市況はここ数年、海上荷動量の増加を上回る新造船の市場投入によって、船腹過剰状態が継続してきた。2013年は、新造船の建造量が一昨年に比べ顕著に減少したことや、減速航行、スクラップ前倒し措置によって、市況が回復してきた。

また、国内の造船業は、ここ数年の間、新造船需要の低迷に加え、歴史的な円高の継続により、厳しい状況だったものの、円高是正が進んだことにより受注環境が改善、新造船の受注が増加に転じて、当面の工事量を確保している。

佃会長は「この要因の一つには、近年の受注低迷の反動によるものが考えられる」ほか、「昨年は世界全体で1億総トン規模の新造船が発注されており、数年後、これらが海運市場に投入されることで、再び船腹過剰となり、需給不均衡に陥ることが懸念される」と警戒感を示す。

その上で「残りの任期であるこれからの1年間、引き続き日本造船業を取り巻く状況を楽観視することなく、会長としての責務を果たしていく」と表明。

さらに昨年の会長就任会見で、日本造船業が取り組む重要課題として掲げた「経営基盤の強化」、「技術基盤の強化」、「国際協調の推進」の3つのテーマについては今後も重要施策として推進する考え。

具体的には、海洋資源・海洋再生エネルギー等新分野への進出、人的基盤の強化、環境負荷が少なく経済的でエネルギー効率の高い船舶の開発、IMOなどの国際的な規制に対する戦略的な対応、JECKU造船首脳会議を通じての国際協調の推進などに努力していく方針。

佃会長は「日本造船業にとって、これからが正念場であり、気を引き締め直して、最大限の努力する」としている。

《レスポンス編集部》

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