旭硝子財団は18日、地球環境保全に貢献した個人・団体に贈られる第23回ブループラネット賞の受賞者を発表した。
今年の受賞者は、経済学分野から米メリーランド大のハーマン・デイリー名誉教授(75才)、自然保護分野から米ペンシルバニア大のダニエル・ジャンゼン教授(75才)とコスタリカ生物多様性研究所に決定した。
デイリー名誉教授は、経済学に自然・地域社会・生活の質・倫理性の要素を組み込むことにより、サステイナビリティーの理念を担保した環境経済学の礎を築いたという功績が認められた。
ジャンゼン教授とコスタリカ生物多様性研究所は、持続可能な開発の施策や政策提言等を通じ、世界の先進国・途上国のいずれもが学ぶべき価値あるロールモデルを提供したという功績で受賞した。
今回の受賞に対してデイリー名誉教授は、「経済の拡大は、生産で得られる利益以上に環境への負担を加速させている。私たちは、持続可能な『定常状態型経済』への移行が迫られている。日本は、世界が失敗しつつある成長経済から定常状態型経済への移行をリードできる立場にある」と、日本の果たすべき責任を説いた。
また、ジャンゼン教授は、「私たちが皆さんにお願いしたいのは、生物の世界で使われている言語を学び、彼らの行動を研究し、彼らに対して心を開くことだ」と、コメントした。
11月13日に、受賞者による記念講演会が国際連合大学(東京・渋谷区)で行われる。