先日開催された、スマートコミュニティJAPAN2014で、エアロバイク風の発電装置を使って来場者と発電競争をしていたのはフォーアールエナジー。同社は日産『リーフ』のリチウムイオンバッテリーを家庭や企業の蓄電システムとして活用することを提案している。
リーフの場合、航続距離が半分になってしまうとEVとしての使用に問題が生じることからバッテリーを新品に交換することになるが、取り外されたバッテリーも蓄電システムとしてはまだまだ使えるもの。そこで同社ではリーフから取り外されたバッテリーを充放電によりコンディション整備し、蓄電システムに再利用している。
もっとも現在はリーフの使用済みバッテリーはほとんど出ていないため、新品のバッテリーを使ってシステムを提供しているそうだ。ちなみに家庭用の12kWhのシステムの場合、価格は290万円ほど。それに補助金が100万円ほど受けられるので実質的な費用は200万円ほどだという。大型住宅でも停電時に2日前後、電力を供給できるという大容量の蓄電システムであることを考えると決して割高ではない。
同社では15年度か16年度にはリーフの使用済みバッテリーが増えると見ていて、そうなれば実質費用は一気に100万円台前半にはなるそうだ。ちなみにリーフの使用済みバッテリーでも12kWhの容量や約10年の寿命はほとんど影響を受けないという。
バッテリーのリユースが実用レベルになれば、EVのバッテリー交換費用も安くなっていくことが予想できる。バッテリーを使い切ってからリサイクルするため、使用サイクルがより効率的になる一石三鳥のシステムだけに、普及を期待したい。