オリックスは23日、子会社のOPI・11を通じて、金型大手のアーク(大阪市)の株式を公開買付すると発表した。オリックスは、今回の公開買付を通じて、アークの議決権の3分の2以上を取得する見込み。
アークは、株式公開買付の決済完了後に、本年9月を目途に臨時株主総会を開催して、過半数を超えるオリックス側の取締役を選任する予定。
オリックスは、今回の公開買付がアーク株式の上場廃止を目指すものではなく、同社株式の予定株数を取得することが目的だ、とコメントしている。
アークは、自動車や民生機器業界向けに金型を中心とした開発支援サービスを提供している。主要取引先である自動車メーカーなどに対する新製品開発におけるデザイン、設計、試作などの上流工程から、金型の設計・製造や成形品の生産まで、各メーカーの開発工程における ESO(Engineering Service Outsourcing)サービスをフルラインで提供している。
アークは、1968 年に設立され、80年代から海外展開を進めてきた。2000 年以降は積極的な M&Aを通じて事業規模を拡大し、2005 年には株式上場を果たした。しかし、リーマンショック後の世界経済の減速を受けて業績が悪化、2011 年に支援機構(当時は企業再生支援機構)等の90億円規模の支援を受け、経営管理体制と事業構造の再構築を図り、以降順調に業績を回復している。
今回、アーク再建の見込みがついたために、支援機構の保有する優先株を普通株に転換して、オリックスに売却するとともに、市場からも公開買付を行う。