日本海事協会、ナカシマプロペラが開発したCFRP製プロペラの製造方法と設計を承認

船舶 テクノロジー

日本海事協会は、ナカシマプロペラが開発した炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製プロペラの製造方法と設計を承認した。

このCFRP製プロペラは、双和海運が所有する内航ケミカルタンカーに搭載された。CFRP製プロペラの一般商船への搭載は世界初。

このCFRP製プロペラは、日本海事協会の「業界要望による共同研究」スキームを通じて、ナカシマプロペラ、東京大学大学院工学系研究科、海上技術安全研究所、日本郵船、MTI、今治造船が共同研究・開発した。

CFRPは、従来舶用プロペラ材料として広く用いられてきたアルミニウム青銅と比較して、比重が約5分の1と軽量ながら同等以上の高強度を持つ。このため、舶用プロペラへCFRPを適用した場合、重量軽減による推進軸系の小径化・低コスト化に加えて、高強度を活かした薄肉化・小翼面積化が実現できるため、プロペラ効率の向上が見込まれる。

今回の承認では、疲労試験を含む各種材料試験によってCFRPの基礎的な機械的性質を確認するとともに、実大のプロペラブレードを用いた静的荷重試験により舶用プロペラへの適用性を検証した。その上で、CFRP製プロペラの製造工程・品質管理体制を確認し、直径2.12mまでのCFRP製プロペラの製造方法を承認した。

また、実船搭載されたCFRP製プロペラに対しては、製造方法の承認で確認された機械的性質と、プロペラ各部の応力解析結果に基づいて設計承認を実施し、日本海事協会の検査員の立会いのもと製品検査を実施した。

CFRP製プロペラは、既設のアルミニウム青銅製プロペラと換装する形で搭載され、換装後に実施された海上公試運転では換装前と比較して、同船速での所要馬力が約9%削減されていることを確認した。今後、運航中の馬力、燃料消費などを計測し、さらに効果を検証していく計画。

《レスポンス編集部》

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