東芝、英国での蓄電池システム実証試験向けにSCiBを受注…1MWh相当の容量

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納入する蓄電池コンテナ(イメージ)
納入する蓄電池コンテナ(イメージ) 全 1 枚 拡大写真

東芝は24日、英国での系統周波数調整実証試験向けにSCiB蓄電池を受注した、と発表した。

同社が受注したのは、英国シェフィールド大学が英国政府系研究機関である工学・物理化学研究委員会(Engineering and Physical Sciences Research Council (EPSRC))の助成を受け、配電会社のウェスタン・パワー・ディストリビューション社と連携して実施する、系統周波数調整用蓄電池システムの実証試験向けの蓄電池。同社は蓄電池を9月に納入し、実証は11月から開始される予定。

今回受注した蓄電池は、チタン酸リチウムを用いた1MWh(メガワットアワー)相当の容量の同社製リチウムイオン二次電池「SCiBTM」で、約1万回以上の充放電が可能な長寿命、高い安全性、高入出力などの優れた特性が評価された。

英国ウェスト・ミッドランズ州ウォルヴァーハンプトンのウィレンホール変電所に設置され、気象条件により出力が変動する風力発電や太陽光発電の導入拡大に伴う系統周波数調整に用いられ、電力の安定供給の維持に貢献する。

英国では、2008年に施行された気候変動法により、温室効果ガスを2050年には1990年比80%削減する目標が掲げられ、この実現に向けて洋上風力発電を中心とした再生可能エネルギーの導入が拡大しており、電力の安定供給に向けた周波数変動抑制や送配電網の拡充・整備などが課題となっている。

蓄電池システムについては、同社はこれまで、国内では、横浜市や宮古島市が進めるスマートコミュニティ実証事業に参画しているほか、アンシラリーサービス(周波数や電圧などの電力品質を維持するための周波数制御などの系統運用サービス)向けには東北電力株式会社から世界最大級の出力40MWの蓄電池システムを受注している。

また、海外では、スペインで電力大手のガス・ナチュラル・フェノーサ社と配電系統の高効率化・高信頼度化を目指して実施する可搬型蓄電池システム実証試験プロジェクト(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「安全・低コスト大規模蓄電システム技術開発」の採択を東芝が受けて進める実証試験)に参画しているほか、商用ではイタリアのローマ市配電・水道公社であるアチア社から蓄電池システムを受注するなど、国内外で事業を展開してきた。

同社は、今回の蓄電池システムの実証を通じて、電力供給の安定化を通じた再生可能エネルギーの導入促進及び温室効果ガス排出削減に貢献するとともに、アンシラリーサービス向けをはじめとする大規模蓄電池システムの普及拡大に向け、グローバルに事業を展開することを企図している。

《山内 博》

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