【トヨタ パッソ 試乗】前席のバリエやロングクッションモードに注目したい…青山尚暉

試乗記 国産車
トヨタ・パッソ
トヨタ・パッソ 全 8 枚 拡大写真

男性ユーザー比率が比較的に多い『ヴィッツ』に対して、トヨタ最小プチトヨタの『パッソ』はこれまで女性ユーザー比率が圧倒的だった。

ヴィッツとともに、こちらはキャリーとなる1.3リットルに加え、新開発の1リットルの3気筒エンジンを積むパッソは、しかしこのマイナーチェンジモデルで、男性でも気恥ずかしくなく乗れる顔つきに変わったと思う。特に濃色系、シルバー系のボディーカラーだとなおさらだ。

熱効率を飛躍的に高めた1リットルエンジンはガソリン登録車NO.1の27.6km/リットルの燃費性能を誇る。軽自動車のすぐ上にいる車種として、この燃費性能、5名乗車が可能なパッケージはもっとずっと注目されていいはずだ。

しかも、パッソにはほかのクルマにはなかなかない機能、装備がある。まずはフロント席。セパレートシートとベンチシートが選べる点だ。好みはあれど、ベンチシートってこのクラスの実用車にはうってつけ。荷物は置きやすいし、横方向の広々感で勝る。

さらに、おそらくは世界唯一の機能と言えるのが後席の「ロングクッションモード」。シートクッションを前方にスライドさせ、フラットなフロアを出現させるものだが、もともと、子育て世代に向けたおむつ替えなどに便利な機能。が、例えば後席に愛犬を乗せるにも適している。なぜならフラットな犬の居住スペースができるだけでなく、足元フロアをふさいでくれるため急ブレーキなどを踏んだときに、フロアに落ちずに済むからだ(荷物も同様)。ドアはまるで軽自動車のように大きく開き、シートクッション部分がごく低いから、大型犬はもちろん、中型犬でも乗りやすいわけだ。

そんなパッソはもはや1リットルの新エンジンで乗るべきクルマである。ヴィッツと違い、1.3リットルエンジンは旧来ユニット(19.0km/リットル)のままだからで、トヨタとしては1リットルクラスならパッソを、1.3リットルクラスならヴィッツを…とメッセージしているようだ。

パッソの1リットルモデルを走らせると、なるほどにユーザーの使い方に合わせ、街乗りベストな扱いやすさを最優先している…ということがすぐに分かる。パワステは軽く扱いやすく、3気筒エンジンは素直に回り、動力性能も日常使いに必要十分。もちろん、軽自動車から乗り換えれば、余力があるな、と感じて当然だ。最小回転半径は4.7mと、意外にもヴィッツの4.5m~にかなわないものの、それでも小回り性は抜群だ。

アイドリングストップは新たに9km/hから作動し、燃費に貢献するのもうれしいところ。女性向けの「Hana」グレードがあるのもツボを押さえている。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★
ペットフレンドリー度:★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

《青山尚暉》

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