【INDYCAR 第9戦】優勝争う琢磨の好走実らず…コロンビア勢W杯勝利と同時に1-2-3独占

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トップに立つ走りを見せた佐藤琢磨だったが、残念な結果に。写真:Honda
トップに立つ走りを見せた佐藤琢磨だったが、残念な結果に。写真:Honda 全 8 枚 拡大写真

インディカーシリーズ第9戦が米テキサス州ヒューストンの市街地特設コースで現地28日に開催され、佐藤琢磨は序盤トップを走るなど好走したが、周回遅れとの接触でレースを終えた。カルロス・ウエルタスが初優勝、コロンビア出身選手が表彰台独占を果たしている。

3週間ぶりの実戦で後半戦突入のインディカー、その緒戦はヒューストンでのダブルヘッダー第1レースだ。雨の影響で決勝は1時間50分のタイムレースというかたちで実施されたが、予選6位の琢磨(#14 A.J. Foyt Racing/ホンダ)はウエット路面で素晴らしい走りを披露し、開始5分過ぎにはトップに浮上。その後も快調にリードを広げていったのだが、この日はバックマーカーに泣かされる展開となってしまう。

まず、ピットアウトしてきたマルコ・アンドレッティ(#25 Andretti Autosport/ホンダ)に前を塞がれ、アンドレッティの僚友で2位を走るジェームス・ヒンチクリフ(#27 Andretti Autosport/ホンダ)に接近されてしまう。アンドレッティは自身が周回遅れになりたくないためと同時に、“チームプレー”も演じた格好である。それでもコース上ではトップを守った琢磨だが、ピットストップの際にヒンチクリフの先行を許すことに。

2位に落ちたとはいえ、もちろん優勝の可能性はまだまだ充分の琢磨。しかし、次なるバックマーカーとのアクシデントが最悪だった。レース開始43分過ぎ頃のリスタート周で、琢磨は背後から接近してきた周回遅れのミハイル・アレシン(#7 Schmidt Peterson Motorsports /ホンダ)と接触、レースを終える結果となってしまったのである(リザルトは22位)。

「本当にガッカリ」と語る琢磨は、アンドレッティの“登場”に関して「すべてが順調で、走ることを楽しんでいたが、彼がピットアウトして来て、温まっていないタイヤで自分の進路を塞いだ」と話す。そしてアレシンとの接触については、「いったい彼は何がしたかったのか。あそこでアウト側からのパスなど不可能なのに」。このアクシデントで「少し手首を傷めたが、明日(第10戦)の出場には問題ないと思う」とのことで、「本当に残念でならない」結末ではあったが、「レースでのマシンは本当に高い競争力を備えていた」だけに第10戦での再度の好走、そして今度は運もひきつけての今季初優勝実現に期待したい。

琢磨の戦線離脱後はヒンチクリフがレースをほぼ支配したが、ピットタイミングのアヤで彼は後退することとなり、最終的に勝ったのはカルロス・ウエルタス(#18 Dale Coyne Racing/ホンダ)。これがインディカー初優勝であり、「チームの作戦が完璧で、燃費を味方につけて優勝を勝ち獲ることができた。本当に最高の一日になった」と喜びを語った。ウエットからドライへと変化していく難しい路面状況のなかで「マシンをコントロール下に置き続けることに苦労したが、冷静さを保ち続け、やるべき仕事を確実にこなし続けるよう自分に言い聞かせていた。最後までそれを貫くことができたよ」とも勝者は語っている。

2位にはファン・パブロ・モントーヤ(#2 Team Penske/シボレー)、3位にはカルロス・ムニョス(#34 Team Venezuela/Andretti Autosport-HVM Racing/ホンダ)が入り、南米コロンビア勢が1-2-3フィニッシュを達成。このレースとほぼ同じ時間帯に、ブラジルではサッカーW杯のコロンビア対ウルグアイの試合が実施されており、そこでもコロンビアがハメス・ロドリゲスの2ゴールで2-0と勝利、初の準々決勝進出を決めた。2014年6月28日はコロンビア勢が南北アメリカ大陸で同時に歓喜という、同国にとって最良の一日となった。

4位はセバスチャン・ブルデー(#11 KVSH Racing/シボレー)で、5位はヒンチクリフ。ポール発進のシモン・パジェノー(#77 Schmidt Peterson Motorsports/ホンダ)はアクシデントに遭遇するなどして、完走するも16位。

第10戦は現地29日、同じくヒューストン市街地特設コースで開催される。

《遠藤俊幸》

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