GPM主衛星、梅雨前線の活動観測結果を公開…雨の強弱も高精度に可視化

宇宙 科学
2014年6月14日、沖縄の南東側から見た、DPRの降水の強さの三次元分布の鉛直断面
2014年6月14日、沖縄の南東側から見た、DPRの降水の強さの三次元分布の鉛直断面 全 6 枚 拡大写真

2014年6月30日、JAXA 宇宙航空研究開発機構は、今年2月に打ち上げられた日米共同『全球降水観測計画主衛星(GPM主衛星)』による、日本付近6月の梅雨前線の活動やオーストラリアでのサイクロン活動を観測に基づく映像を公開した。

GPM主衛星は、2014年9月から地球全体の降水を常時観測する定常観測運用の期間となり、観測後約4時間の準リアルタイムでデータをJAXA GSMaPを通じて広く一般に公開する予定だ。現在はその前に、衛星に搭載された二周波降水レーダ「DPR」、マイクロ波放射計「GMI」といった観測機器の精度を向上させる検証を行っている。

検証のため観測されたデータから、6月前半に日本付近で活発に活動する梅雨前線の様子を三次元的にとらえた画像が公開された。6月14日11時ごろには、沖縄付近で上空10キロメートルに達する高い位置から強い雨が降る様子が見える。亜熱帯に位置する沖縄付近では、降雨の背が高いという特徴があるという。これは、GPM主衛星の前任にあたる熱帯降雨観測衛星「TRMM」の長年の観測データから得られた特徴だ。今回、GPM主衛星が亜熱帯よりさらに高緯度の地域まで観測できるようになったことで、緯度の異なる地域の降雨の高さや強さを実際に比較できるようになった。

GPM主衛星の観測データ画像では、強い雨と弱い雨の「強度」の違いを精度よく比較できるようになってきている。弱い雨を捉えて観測できるようになったことで、北米など中高緯度地域に見られる、1時間に3ミリ以下といった弱い雨が年間降雨の大半を占めるような地域でもより正確な降雨量の把握ができるようになったという。

また、JAXA 地球観測研究センターの台風速報ページでは、これまでの第一期水循環変動観測衛星『しずく(GCOM-W1)』などのデータに加え、GPM主衛星が取得した台風の観測画像も提供する予定となっている。

《秋山 文野》

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