JR北海道、8月30日ダイヤ改正…カーブ通過速度を抑制

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『スーパー宗谷』『スーパーとかち』で運用されているキハ261系。8月のダイヤ改正で車体傾斜装置の使用を中止し、カーブ通過速度を抑えることになった。
『スーパー宗谷』『スーパーとかち』で運用されているキハ261系。8月のダイヤ改正で車体傾斜装置の使用を中止し、カーブ通過速度を抑えることになった。 全 1 枚 拡大写真

JR北海道は7月4日、ダイヤ改正を8月30日に実施すると発表した。メンテナンス体制の強化を目的としたダイヤ見直しの一環で、最高速度の引下げとカーブ通過速度の抑制などを行う。

札幌~帯広間の特急『スーパーとかち』は、最高速度を現在の130km/hから120km/hに引き下げ、同時にカーブの通過速度も抑える。これにより平均所要時間が現在より9分増えて2時間45分に。最速達列車も現在の2時間28分より11分長い2時間39分になる。また、『スーパーとかち5・7・10号』の時刻を繰り下げる。

札幌~釧路間の特急『スーパーおおぞら』も『スーパーとかち』にあわせて運行時刻の見直しを実施。『スーパーおおぞら2号』の時刻を繰り上げて札幌10時51分着とし、南千歳駅で函館行き特急『スーパー北斗8号』への接続を図る。『スーパーおおぞら12号』は全体の所要時間を現在より12分短縮して3時間58分とし、終点の札幌駅では旭川行き最終の特急『スーパーカムイ45号』への乗継ぎを可能にする。

札幌~東室蘭・函館間では、札幌6時36分発の函館行き特急『スーパー北斗2号』の停車駅を拡大。新たに登別・伊達紋別・洞爺各駅に停車し、登別駅で普通列車に乗り継ぐことにより、札幌方面から幌別駅や鷲別駅などへの通勤・通学を可能にする。特急『すずらん』は『スーパー北斗』『北斗』との運転間隔にあわせ、『すずらん5・9・2号』の時刻を見直す。

札幌~稚内間の特急『スーパー宗谷』はカーブの通過速度を抑え、平均所要時間は2分増の5時間6分、最速達列車の所要時間も7分増の5時間5分になる。また、『スーパー宗谷2号』の運行時刻を繰り上げることにより、札幌12時13分発の函館行き特急『スーパー北斗10号』への乗継ぎを可能にする。

札幌~新千歳空港間の快速『エアポート』は最高速度を120km/hに引き下げ、所要時間が現在より1分長い37分になる。苫小牧~室蘭間では普通列車の増発を実施し、苫小牧6時48分発の室蘭行き普通列車を新設するほか、萩野6時20分発の苫小牧行きを東室蘭5時46分発に変更して運転区間を拡大。東室蘭8時00分着の長万部発普通列車も運転区間を幌別駅まで延長する。

『スーパー宗谷』『スーパーとかち』で運用しているキハ261系気動車は、車体下の空気バネの空気量を調整し、車体を傾ける車体傾斜装置を採用。これによりカーブでも速度を落とさずに走ることができる。今回のダイヤ改正では、車両や軌道への負担軽減と空気供給機器のトラブル防止を図るため、車体傾斜装置の使用を中止。これによりカーブでの走行速度を抑えることにした。

なお、国鉄時代から使用している711系電車30本は、今回のダイヤ改正で16本を721系電車に置き換える。残り14本も本年度中に順次置き換える予定だ。

《草町義和》

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