大型フェリーで火災発生、総員退船までの流れは…「さんふらわあ こばると」号で訓練

船舶 行政
救命ボートの降下
救命ボートの降下 全 17 枚 拡大写真

国土交通省 近畿運輸局と大阪海上保安監部は7月1日、合同で大阪市住之江区の南港フェリー埠頭において大型フェリー「さんふらわあ こばると」号の夏季多客期前安全総点検にあわせて、火災発生を想定した総員退船訓練を実施した。

想定された火災事故は、火災発生・初期消火・放水消火・投錨・負傷者発生・スプリンクラー準備・スプリンクラー消火実施・火災拡大・退船準備・救命いかだ救命ボート降下・総員退船の順に進行した。

前半の初期消火に失敗して火災が拡大、放水消火の段階へ進む。このとき火災現場ではブリッジへ初期消火失敗を報告、消火ポンプ運転を要請する。

ブリッジから機関部に消火ポンプ運転を指示。航海士は周囲の航行船に注意喚起を行う。機関室では消火ポンプを運転開始し、ブリッジからの指示で機関停止。案内所では事務長が乗客全員に救命胴衣の着用を放送し、乗組員は乗客に救命胴衣の着用法を案内する。

火災現場では延焼に対して、スプリンクラー消火装置による消火作業を行い、ブリッジでは船舶部長に状況を連絡し、事務長にも状況を連絡する。機関室ではスプリンクラーポンプを運転し、案内室では事務長が乗客のパニック防止に努める。

そして、火災は消火に失敗して更に拡大し、最後の総員退船に進む。乗客は乗組員に案内されて退船する。このときタオル・ハンカチなどで鼻と口を覆い、煙を吸い込まないように注意する。甲板に乗客全員が整列して、総員退船が完了した。

訓練の終了後に、近畿運輸局の係官から、「一旦、事故が発生したら、今日の訓練のように大変な事態になる。事故を起こさない日頃の業務に注力してほしい。万一事故が発生したら、人命の安全・船体の安全・積荷の安全を忘れずに対処してほしい」と総評があって、今回の総員退船訓練が終了した。

《山内 博》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る