6月19日より国内販売が開始されたダイハツの新型『コペン』。着脱可能な樹脂外板を用いるなど数々の新しい試みがなされているが、「樹脂製燃料タンク」の採用もそのひとつだ。
燃料タンクに樹脂製を用いるのはダイハツ初となる。同社技術本部、商品評価グループ主担当員の田中稔氏は「樹脂を用いた一番の理由は軽量化。鋼製では約5kg重量となるが、樹脂製は約3kg。比較的小さな軽量化だが、スピード域が高くなれば、運動性に少なからず影響が出てくる」と語る。
タンクを樹脂製とすることで、当然強度や耐久性の問題も発生してくるが「4種類の樹脂をブレンドし、さらにそれを6層構造とした。加えてダイヤモンドビード加工を施すことで、強度を確保することができた」と田中氏は述べた。
このダイヤモンドビードには、強度の確保以外にも大事な効果があるという。田中氏は「もし事故に遭遇し、タンクに影響が出た場合でもビード形状が衝撃を吸収し、タンクが割れずにつぶれるため、燃料漏れを防いでくれる。その他にも、振動による金属疲労、溶接部の劣化、なによりサビが発生せず高い信頼性がある」と話した。
軽量以外にも様々な利点がある樹脂製燃料タンク。田中氏にコペン以外の車種に採用される可能性を伺うと「もちろん他の車種にも採用していく。既に数車種への搭載は決定している」とのことだ。