【WEC 第5戦】秋の富士決戦制覇へ、トヨタの中嶋一貴もアウディのロッテラーも意欲示す

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WEC富士戦に向けてのメディア懇談会に出席した面々。右から寺田氏、ロッテラー、中嶋一貴。
WEC富士戦に向けてのメディア懇談会に出席した面々。右から寺田氏、ロッテラー、中嶋一貴。 全 8 枚 拡大写真

12日、スーパーフォーミュラ第3戦開催中の富士スピードウェイで、秋の世界耐久選手権(WEC)第5戦「富士6時間耐久レース」に向けてのメディア懇談会が実施され、中嶋一貴(トヨタ)とアンドレ・ロッテラー(アウディ)がその意気込みを語った。

スーパーフォーミュラではTOM’Sチームで僚友の一貴とロッテラーが、予選終了後、それぞれ別のWEC仕様シャツに着替えて懇談会会場に現れた。今年で3年連続の開催となるWEC富士戦は、過去2年いずれもトヨタ一貴組が勝っているレース。一貴には当然ホームレース3年連続優勝の期待がかかるわけだが、一方のロッテラーたち王者アウディ陣営にも未制覇地・富士をビクトリーコレクションに加えるという明確な目的が存在する構図になる。シリーズ最高の大一番ルマン24時間レースは別格だが、富士戦もトヨタ、アウディ両軍にとって“いちシリーズ戦”以上の価値を有する一戦だ。

今季は第1~2戦の6時間レースをトヨタが連勝(一貴組は2位&3位)。しかし第3戦ルマンでは、一貴組がポールを獲得して決勝でもトップを走りながら、マシントラブルでストップ、彼自身とトヨタにとって初となるルマン制覇の好機を逃した。大一番を制したのはやはりアウディで、陣営にとっては5連覇、ロッテラーはここ4年で3度目となるルマン総合優勝の栄誉を得ている。ルマンの仇は他で討てるものではないが、トヨタにしてみれば、せめて今季残り5戦(6時間レース)はすべて勝ち、世界選手権タイトルを獲りたいところだ。

「WECに関しては(SUPER GTとの日程重複があり)自分自身の全戦出場が決まっているわけではない」ため、一貴個人は「出るレースについては常に勝ちを目指すことが現実的な目標」になる。なかでも「富士はトヨタにとってもホームコースですし、東富士研究所から近いのでたくさんの人が応援に来てくれるでしょう。大きな期待も背負って走ることになるので、過去2年同様にいい結果を出したいと思います」。

一方のロッテラーも「WEC富士戦はまだ勝っていないレースだから、絶対に勝ちたい」と語る。日本を長く主戦場としてきている彼だけに、「(トップレーサーとしての)自分が育った日本は、自分の心の在り処」であることも勝ちたい理由のひとつだ。さらに「これまでの2年も(いろいろな意味で)惜しいところで勝利を逃している。だからこそ今年は勝ちたい」。今季は24時間レースのルマンこそ勝ったが、6時間レースでは連敗しているアウディ。スピード勝負の度合いが高い6時間レースの再開(第4戦~)に向けて王者がどう立て直してくるか、注目される。

また、今季は耐久王ポルシェがWECの最上位クラスであるLMP1-Hにワークス参戦を開始しており、トヨタ、アウディと三つ巴の戦い模様にもなっている。ポルシェの予選、あるいは直線での速さには一貴、ロッテラーとも一目置いており、ストレートの長い富士だけに警戒感を強める。一貴は「(富士を含む)シーズン後半にはポルシェが速そうなコースもあるので、レースでの優勝を狙う上では(アウディだけでなく)ポルシェも手強いライバルになる」とも。

この日の懇談会には、長年ルマンに選手として参戦するなど“ミスター・ルマン”の異名をもち、ルマンのオーガナイザー「ACO」の理事で、WEC富士のアンバサダーを務めている寺田陽次郎氏も臨席。「ルマンが面白いのは、難しいからでしょう」と、その奥深い魅力をズバリ語り、「立ち上がり加速がいいトヨタと、直線が速いポルシェ、トータルバランスに優れるアウディ。10月の富士はものすごく面白いレースになる」との分析も披露して、前景気を煽った。

現在WECはシーズン途中のブレイクタイム中。第4~8戦は9~11月に集中して開催されるかたちになる。第5戦「6 HOURS OF FUJI」の開催日程は10月10~12日だ。

《遠藤俊幸》

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