自動ブレーキ体験試乗会での事故、販売員と客を書類送検

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昨年11月、埼玉県深谷市内の自動車販売店が開催した試乗会で乗用車が暴走し、乗っていた2人が重軽傷を負った事故について、埼玉県警は11日、事故は運転操作ミスや、自動ブレーキに関する説明不足が原因で発生したと判断。事故に関わった4人を書類送検した。

埼玉県警・交通捜査課などによると、問題の事故は2013年11月10日の午後0時40分ごろ発生している。深谷市山河付近にある自動車販売会社の敷地内で開催されていた試乗会で、安全装置(自動ブレーキ装置)のデモンストレーションを実施していた乗用車が暴走。ブレーキが掛からないまま、販売店の敷地とJR東日本の用地を隔てる金属製のフェンスに突っ込んだ。

この事故でクルマは中破し、助手席に同乗していた自動車販売店に勤務する22歳(当時)の男性が腕を骨折する重傷。運転していた39歳(同)の男性客が頚部打撲などの軽傷を負った。

事故起こしたクルマにはレーザーレーダーで前方の障害物を検知し、自動でブレーキを掛ける安全装置が装着されており、事故当時はウレタンマットを置き、これを前走車に見立てて約7m先から発進。10km/h以下の低速走行時における追突防止のデモンストレーションを実施していた。

メーカー側は「試乗においては10km/h以下で実施し、車速が10km/hに達したらアクセルを離す」と販売店側に指導していたが、事故が起きた自動車販売店ではこれを遵守せず、客に対しても「30km/h以内の速度であれば止まる」と誤った説明をしていた。客はこれに従って加速。自動ブレーキが効かないことから慌ててブレーキを踏み込もうとしたが、誤ってアクセルを踏み込んだ可能性が高いとみられる。装置は30km/hに達するとキャンセルされるが、アクセルペダルを踏み込んだことによってこれを超過。衝突直前のアクセル開度も100%だった。

データを解析してもクルマに異常は発見されず、警察では「販売店側の客に対する説明不足と、客の運転操作ミスの両方が重なったことで事故につながった」と判断。試乗会を主催した自動車販売店の3人を業務上過失傷害容疑で。事故を起こした客を自動車運転過失傷害容疑で書類送検した。

《石田真一》

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