東京大学、リチウムイオン電池の約7倍の容量を持つ次世代二次電池を開発

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新電池システムの模式図
新電池システムの模式図 全 2 枚 拡大写真

東京大学大学院工学系研究科の水野哲孝教授ら研究グループは7月16日、日本触媒との共同研究により、現行リチウムイオン電池の限界を超える、新原理の二次電池システムの開発に成功したと発表した。

新電池は、酸化物イオンと過酸化物イオンの間の酸化還元反応を利用。酸化リチウムの結晶構造内にコバルトを添加した物質を正極に用いることによって、充放電反応により過酸化物が生成、消失することを明らかにし、新原理の電池システムを実証した。

正極反応として酸化リチウムと過酸化リチウムの間の酸化還元反応を、負極反応として金属リチウムの酸化還元反応を用いた場合、両電極活物質重量あたりの理論容量は897mAh/g、電圧は2.87V、理論エネルギー密度は2570Wh/kgとなる。このときのエネルギー密度は、コバルト酸リチウム正極と黒鉛負極を用いた現行リチウムイオン電池のエネルギー密度の約7倍に達する。

新方式の電池は、現在開発が進められているリチウム空気電池の理論エネルギー密度(3460Wh/kg)には及ばないが、従来のリチウムイオン電池と同様の密閉型構造となるため、信頼性、安全性に優れる。

研究グループでは、新電池システムについて、電気自動車用や定置用への実用が期待できる次世代二次電池として、研究・開発を進めていく。

《纐纈敏也@DAYS》

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