【SUPER GT 第4戦】前年チャンピオン組が圧勝…GT500優勝はレクサスRC Fの立川&平手

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今季初優勝の立川(左)&平手。<撮影:益田和久>
今季初優勝の立川(左)&平手。<撮影:益田和久> 全 8 枚 拡大写真

SUPER GT第4戦は20日、宮城県のスポーツランドSUGOで公式予選&決勝レースを実施。天候微妙な状況下での実質ワンデー決戦を制してGT500クラス優勝を飾ったのは、レクサスRC Fの立川祐路&平手晃平だった。前年王者の立川組は今季初勝利。

霧と雨の影響により決勝日朝に延期された予選を経ての決勝300kmレース。この日は霧の深刻化こそなかったものの、雨による影響は依然として続き、しかも実に微妙な路面状況となった。決勝スタート前後の時間帯がまさにそうで、隊列を組んでのローリングラップ終了、実質的な戦いが今まさに始まるというその瞬間に、GT500クラス(出走15台)のマシンの約半数がピットロードへ。彼らはレインタイヤへの履き替えを選択したのだ。

1周終了時にピットインする車両もあるなどしたが、結果論で言えば、この日のレースは序盤、コースに残り続けていた者の勝ちだった。もちろん、それができるのはドライタイヤでも濡れた路面を走れるドライバーの技量とマシンの仕上がりがあってこその話になるが、ディフェンディングチャンピオン陣営が卓越した力を見せつけることとなる。予選11位だった立川&平手の#1 ZENT CERUMO RC F(タイヤはブリヂストン=BS)は、序盤同じくコースに残ったBS装着レクサス勢、#37 KeePer TOM’S RC F(伊藤大輔&A.カルダレッリ)や#6 ENEOS SUSTINA RC F(大嶋和也&国本雄資)とともにトップ3を形勢、やがてこのなかでトップに出ると、平手がリードを広げていく。

立川へのバトンタッチを終え、他陣営のルーティンピットも終わった段階でリードは30秒以上となり、終盤に雨が強まってレースフィールド全体が再びドタバタした際にも、#1 RC Fは泰然自若。最終的には2位に約80秒差、つまり1周近い差をつけて圧勝した。3位以降は周回遅れである。

「嬉しい。平手がいい走りでリードを築いてくれた。チームの判断も絶妙で、僕はただ走っただけ」と優勝会見で話した立川。「ウエットでのバランスはあまり良くなくて」という、やや意外な実感も話すが「(実際に雨が)降ってくれば、わるくはなかった」そうで、「決勝の少し濡れた程度の状態の時なら、ドライタイヤでも問題なかった」。これで自身通算16勝目、本山哲と並んでいたGT500最多勝争いで一歩抜け出した。「最大の目標はタイトル(連覇)。優勝が増えることは、タイトルに近づくことなので、本当に嬉しい」。

僚友の平手は「立川さんはチームの判断が絶妙って言いましたが、実は少し遅れたんです(苦笑)。それでコースにステイすることになったんですが、結果的には大正解でした」と、勝ったからこそのエピソードも披露するが、入れなかったからにはステイアウトで、とすぐに方針転換して、それを利することができるところがチャンピオン陣営セルモの底力だろう。優勝で20点を得た#1 RC Fは、ドライバーズポイント争いで3位に浮上した(首位とは14点差)。

決勝2位は#37 RC F。彼らは、今回9位だった#12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信&J.P.デ・オリベイラ/BS)を逆転、5点差でシリーズ首位に躍り出た。決勝3位には後半よく追い上げた#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大&金石年弘/BS)が入り、ホンダ勢今季初表彰台。GT500唯一のミッドシップ車かつハイブリッド車であるNSXには、今回からミッドシップ特有の熱害を考慮した改造(正常進化)が認められ、他車より70kg重かった車重も13kg軽減される等の参加条件変更があった。ウエットでの戦いゆえ、それらの効果は計りかねるところもあるが、予選で2-4-6-7位を獲ったことからもNSXには上昇ムードが出つつあるのかもしれない。

決勝4位はポール発進だった#36 PETRONAS TOM’S RC F(中嶋一貴&J.ロシター)。5位に#6 RC F、6位に#39 DENSO KOBELCO SARD RC F(石浦宏明&O.ジャービス)が入り、レクサス勢が決勝1-2-4-5-6位と上位を占めた。タイヤ的にはBSがトップ6占拠のかたち。日産勢の決勝最上位は7位の#46 S Road MOLA GT-R(本山哲&柳田真孝/ミシュラン)だった。

SUPER GTの次戦は今季2度目の富士スピードウェイ戦。第2戦は決勝500kmで争われたが、次の第5戦は決勝300kmの戦いとなる。8月9日に予選、10日に決勝が実施される予定だ。

《遠藤俊幸》

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