スペースX、Falcon9 ロケットの着水実験映像を公開[動画]

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通信衛星「ORBCOMM OG2」を打ち上げた際のFalcon 9ロケット。
通信衛星「ORBCOMM OG2」を打ち上げた際のFalcon 9ロケット。 全 1 枚 拡大写真

2014年7月22日、スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペース X)社は、7月に行われた通信衛星打ち上げの際に実施された、再使用ロケット開発のための『Falcon 9(ファルコン 9)』ロケット第1段着水実験の映像を公開した。

映像は7月14日に行われた通信衛星「ORBCOMM OG2」6機の打ち上げの際、ファルコン 9ロケット第1段を大西洋に着水させた実験で、機体に取り付けられたカメラが撮影したもの。

アメリカ・フロリダ州の現地時間午前11時15分に行われた打ち上げからおよそ4時間後の15時23分、ロケット第1段は再突入のためエンジンを再点火、噴射を開始するところから捉えられている。およそ20秒後には氷の粒がカメラのレンズに付着しはじめ、視界がかなり悪くなるものの、続く2回目のエンジン再点火の炎は映像でも確認できる。着陸脚の展開も行われ、機体は大西洋に着水している。

スペース Xの説明では、実験で超音速での再突入から2回のエンジン再点火と着陸脚の展開を経て、ほとんど速度ゼロでタッチダウンできたと確認したとしている。着水した第1段の機体は安全のため、予定された横倒しに近い姿勢をとったものの、機体外層に損傷を受けたという。次回以降の実験を成功させるためのデータは得られたといい、カメラの視界をさえぎる氷の付着にも対策を施していく予定だ。

今回の実験で、スペース Xはロケットを水上の射点、または陸上の打ち上げ地点に着陸させ、一部を点検・補修すれば再度打ち上げが可能になるという「強い確信」を得たとしている。ファルコン 9ロケットでの着水実験はこれからも行われる予定だが、実験が可能になるのは低軌道への打ち上げの場合で、高度3万6000kmの静止軌道に向けた打ち上げの場合はエンジンを再点火するための推進剤の余裕がないとしている。打ち上げ予定表では、これから2回連続して静止通信衛星「ASIASAT」の打ち上げを予定しており、次回実験可能になるのは今年9月予定の国際宇宙ステーション(ISS)への補給船「ドラゴン」打ち上げとなる。さらにその次の2回の打ち上げでは、着地実験を開始するとしている。

《秋山 文野》

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