水素は21世紀の代替エネルギー源にはなり得ない…フロスト&サリバン

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水素ステーション(参考画像)
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海外市場調査のフロスト&サリバンは、近年注目を集める水素について、21世紀の有望な代替エネルギー源にはなり得ないとの見方を示している。

同社のエネルギー・環境部門リサーチアナリスト、プラマド・ディブル氏は「水から水素を抽出する電気分解のプロセスでは、抽出された水素が有する発電量よりも多い電力が消費されてしまうため、水素のエネルギー変換効率は低い」と話す。

さらに「水素はほぼ全ての格納容器から通り抜けてしまうため、貯蔵が非常に難しい。圧縮水素の場合、放出される水素は大気放出よりも少ないが、水素を圧縮する工程で使用可能な水素エネルギーの約2%が消費されてしまう。このため、化石燃料源と比べて使用できるエネルギー容量が少ないといえる」と述べている。

燃料を電力に変換する場合、通常は1回のプロセスで済むが、これに対し、水素を電力として利用するためには、水から水素に変換し、さらに水素から電力への変換が必要であるため、複数回のプロセスを要する。また、電力として用いられるエネルギーを電池に貯蔵する方が、水素を貯蔵タンクに保存する方法よりも簡単で、コストも低い。

同氏は「電気分解の必要性、低いエネルギー密度、複数回にわたるエネルギー変換プロセス、困難な貯蔵などの理由から、エネルギーとしての水素の活用は、ロケット燃料などの特殊な用途に限られるだろう。科学技術の飛躍的な進歩が見られない限り、水素は21世紀の代替エネルギー源としては適切でないといえる」と述べている。

《纐纈敏也@DAYS》

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