【三菱 eKスペース 試乗】まだまだ努力すべき余地はある…松下宏

試乗記 国産車
三菱・eKスペース カスタム
三菱・eKスペース カスタム 全 10 枚 拡大写真

軽自動車は全長と全幅が規格いっぱいのため、全高の余裕を生かしたクルマ作りが各社で展開されている。三菱の『eKスペース』もそのひとつで、最後に出てきたスーパーハイト系ワゴンである。日産との合弁会社NMKVとして2番目の車種だ。

【画像全10枚】

本当なら、全高を高くすることにより重心高も高くなるスーパーハイトワゴンは、必ずしも真っ当なクルマ作りの方向性とはいえない。でもこのタイプが軽自動車の中で30%を超えるような勢いで良く売れているので、各社とも対応しないわけにはいかない。

スーパーハイトワゴン市場に最後に出てきたeKスペースだが、なのに先行する各社のモデルに対して優位に立つ部分が少ない。これは残念なところだ。

eKスペースのセールスポイントは室内高の高さを始め、99%UVカットガラス、ピアノブラック調のパネルを採用したインテリア、ワンタッチ開閉式スライドアなどとされているが、際立って優位に立つ感じではない。

逆に負けている部分はいろいろあって、AEBS(緊急自動車ブレーキ)の設定がないのがその最たるもの。今では軽自動車でも自動ブレーキが当たり前になりつつあるのに、eKスペースはオプション設定すらされない。横滑り防止装置のASCも試乗したGには標準装備されていたが、ベースグレードのEには設定がない。

燃費でも負けている。『eKワゴン』が燃費を重視しすぎたために走りが鈍くなったのを反省して、eKスペースでは燃費では頑張らずに走りの面で頑張った結果、eKスペースの自然吸気エンジンの燃費は『スペーシア』のターボ車と同じリットル26.0kmしかない。

それでも燃費はエコカー減税で免税対象になるから何とか許容範囲だが、後から出てきて競合車に負けているのは何とも厳しい。

燃費志向に徹しなかったために走りはそこそこのレベルにある。また足回りも標準車は柔らかすぎる印象ながら、14インチタイヤを履くカスタムはまずまずの安定性がある。ただ、これらも競合車と同等のレベルにとどまる。

価格も高めの印象で、装備の違いを勘案してざっくりと言うと、eKスペースは競合車に対して5万円くらい高い印象である。自動ブレーキがないのに自動ブレーキが付いた競合車と同じくらいの価格が設定されている。いろいろな意味で努力すべき余地のあるクルマである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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