はやぶさ2の相乗り小型衛星、候補3機すべて搭載可能に

宇宙 科学
はやぶさ2相乗り候補、東京大学の『PROCYON(プロキオン)』
はやぶさ2相乗り候補、東京大学の『PROCYON(プロキオン)』 全 6 枚 拡大写真

2014年7月29日、JAXA 宇宙航空研究機構新事業促進センターは、小惑星探査機『はやぶさ2』打ち上げロケットに相乗りする小型副ペイロード候補として選定された3機の衛星・探査機すべてが搭載可能であると公表した。

2014年末に打ち上げが予定されている小惑星探査機はやぶさ2では、H-IIAロケット搭載能力の余剰を利用して、小型の宇宙探査機を同時に打ち上げる予定だ。2013年9月には相乗り候補として3機の探査機が審査を通過、最終的な搭載可否の判断と搭載可能機数の確認が行われていた。今回、H-IIAロケットの余剰能力の解析と小型副ペイロードの搭載によるはやぶさ2振動環境への影響などの詳細確認が行われ、候補の3機とも搭載可能であることが明らかになったという。

候補の3機のうち東京大学・JAXA共同研究による『PROCYON(プロキオン)』は、重量約59kgの衛星。50キロ級超小型衛星で、ミッションとして将来深宇宙探査を行うための技術実証を予定している。X帯での通信実験や、小惑星の近傍を通過しながら撮影するフライバイ撮像などを行う。共同実施機関としてISAS(宇宙科学研究所)、東京理科大学、北海道大学、明星大学などが参加している。

多摩美術大学による『ARTSAT2-DESPATCH(アートサット2 デスパッチ』は、重量約30kgの衛星。衛星からの通信(テレメトリ)をソーシャルネットワークを用いて共同受信する、衛星搭載の各種センサーのデータから、コンピュータが「宇宙生成詩」を送信する、3Dプリンタによる造形物を衛星に搭載する「深宇宙彫刻」などを予定している。共同実施機関は東京大学。

九州工業大学による『しんえん2』は、重量約15キログラムと今回の候補の中では最も小さい衛星となる。熱可塑性CFRP(炭素繊維強化プラスチック)による衛星の制作と宇宙での実証、遠距離での衛星との相互通信実験などを予定していいる。共同実施機関は鹿児島大学。

今後、JAXAは各候補の開発状況と安全、適合性の審査を実施し、打ち上げ前に搭載可否の最終判断を行うとしている。

《秋山 文野》

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