国立天文台、互いに傾いた原始惑星系円盤を連星系で発見…アルマ望遠鏡で観測

宇宙 科学
アルマ望遠鏡、互いに傾いた原始惑星系円盤を連星系で発見
アルマ望遠鏡、互いに傾いた原始惑星系円盤を連星系で発見 全 3 枚 拡大写真

国立天文台は、アルマ望遠鏡を使った観測で、若い連星系おうし座HK星を構成する、それぞれの星のまわりに傾きの異なる原始惑星系円盤が発見されたと発表した。

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連星系を構成する、それぞれの星周辺の原始惑星系円盤の様子を、はっきりと描き出したのは、今回のアルマ望遠鏡による観測が初めて。観測結果は、大きくゆがんだ軌道や傾いた軌道を持つ、太陽系外惑星の起源の謎を解く鍵になると考えられるとしている。

太陽は単独の星だが、宇宙に存在する星の多くはふたつの星が互いのまわりを回りあう連星系を成している。連星系は、宇宙の中では多数派だが、多くの謎がある。惑星の材料は、若い星を円盤状に取り巻いており、原始惑星系円盤と呼ばれる。

今回、アルマ望遠鏡によって、原始惑星系円盤を持つ連星系を、これまでで最もはっきりと確認することができ、その円盤の向きがそろっていないことを発見した。

連星系おうし座HK星を構成する2つの星は、地球から約450光年の距離にあり、誕生から500万年以内の若い星。2つの星の間隔は約580億kmと見積もられている。これは、太陽と海王星の間の距離の13倍に相当する。2つの星のうち明るい方をおうし座HK星A、暗い方をおうし座HK星Bと呼んでいる。

おうし座HK星B周辺の原始惑星系円盤は、地球から見ると真横を向いており、星の光を一部さえぎっている。このため、可視光や赤外線で観測した場合、シルエットとして円盤を観測することができる。一方で、おうし座HK星Aの原始惑星系円盤は、星の光をさえぎっていない。このため星の光が強すぎ、原始惑星系円盤のかすかな光をとらえることができなかった。

原始惑星系円盤は、星に比べてミリ波を強く出しているため、アルマ望遠鏡ではこの円盤を直接観測することができた。このアルマ望遠鏡による観測の結果、研究チームはおうし座HK星A周辺にある円盤の姿を初めてとらえたのに加え、円盤の回転の様子も初めてとらえることに成功した。

おうし座HK星AとBのまわりの円盤は、少なくとも互いに60度の角度を成していることが明らかになった。2つの円盤は、連星系の軌道面と同じ面にはなく、少なくとも1つの円盤が大きく傾いているということになる。

星や惑星は、宇宙に漂う星間物質(ガスや塵)の中で作られる。星間物質が自らの重力によって収縮していくと回転をはじめ、中央の赤ちゃん星(原始星)の重力に引かれて落下してきた星間物質は、原始星のまわりに円盤状に集まる。

しかし、連星系であるおうし座HK星の場合は、星間物質の動きはもっと複雑で、2つの星の軌道と、それぞれの星のまわりにある原始惑星系円盤が同じ平面上に無い場合、原始惑星系円盤の中で作られる惑星は、大きく傾いた軌道や長く引き伸ばされた楕円の軌道を持つことになる。

研究チームは今後、おうし座HK星のように、原始惑星系円盤の向きがそろっていない連星系が一般的なものなのか、それとも珍しいものなのかを調べる方針。

今回の観測結果は、7月31日発行の科学誌「ネイチャー」に発表された。

《レスポンス編集部》

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