【ダイハツ コペン 試乗】オープン状態でも芯のある走りにニンマリ…西村直人

試乗記 国産車
ダイハツ・コペン ローブ
ダイハツ・コペン ローブ 全 40 枚 拡大写真

昨年、日本で販売された新車(537万台)のうち約40%(211万台)が軽自動車だったが、そのうち約80%にあた約169万台が『コペン』などが属する乗用自家用だ。つまり、新車販売のほぼ3台に1台は乗用自家用の軽自動車ということになる。

巷では「軽自動車カテゴリーのオープンモデルにどれだけの需要があるのか?」という疑問の声も聴かれるが、心配には及ばない。なにも軽自動車は、高いスペース効率に裏打ちされた実用性だけで販売台数を伸ばしているわけではないからだ。そのクルマを所有することでクルマの運転が楽しくなる、そんなワクワクする瞬間を手に入れたいという一心から、遊び心にあふれるモデルが注目されることもある。“軽自動車でSUV”というスズキ『ハスラー』のヒットはその好例だろう。

コペンのエンジニアは本当にクルマ好きが多い。リヤスタイルはスポーツカーの決め手のひとつだが、コペンに採用されたデュアルマフラーには見えないところまでしっかりとリベット留め加工が施されている。しかも、そのテールエンド処理に「ヘッドライト一つ分のコストを掛けました」とエンジニアが堂々と胸を張るあたり、まさに天晴だ。見かけ倒しではなく、低回転域ではとても軽自動車のものとは思えない重低音を響かせてくれるあたりも、通を唸らせるには十分だ。

モーターサイクルを日常の足として使っている筆者からすると、一度で二度おいしい移動の瞬間が楽しめることこそ、オープンカーの醍醐味だと感じている。正直、中速域からのパワーにはもっと伸びが欲しいが、オープン状態であっても、先代のクローズド状態以上の剛性感で芯のある走りを披露されると、思わずニンマリしてしまう。新規のマニュアルトランスミッションユーザー開拓という意味では、5MTモデルにヒルスタートアシスト機能があると、さらにいい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア:★★★
居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

西村直人|モータージャーナリスト
1972年1月東京生まれ。専門分野はパーソナルモビリティだが、広い視野をもつためにWRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席したほか、東京都交通局のバスモニター役も務めた。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事。2014-2015日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会・東京二輪車安全運転推進委員会指導員。

《西村直人@NAC》

西村直人@NAC

クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。専門分野はパーソナルモビリティだが、広い視野をもつためにWRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席したほか、東京都交通局のバスモニター役も務めた。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事。2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会・東京二輪車安全運転推進委員会指導員。日本イラストレーション協会(JILLA)監事。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. 中国マイクロEV『小馬』10万台を販売した「かわいいペット」戦略
  3. 快進撃のヤマハ、次は「親しみやすいスーパースポーツ」で勝負!?「鈴鹿8耐2025」注目の1台
  4. 日本初のクルマ専用「除湿剤」が登場、最長180日間快適に
  5. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る