【ダイハツ コペン 試乗】走りの頼もしさと気取りのなさ加減がステキ…飯田裕子

試乗記 国産車
ダイハツ・コペン
ダイハツ・コペン 全 40 枚 拡大写真
軽自動車を主軸に置くダイハツが持ちうる技術と頭脳を詰め込んだオープン2シータースポーツモデル『コペン』。

これまでもダイハツの軽自動車のクルマづくりには軽自動車をより魅力的な乗り物にするためのこだわりと魅力が強く感じられていたけれど、スポーツモデルとなれば話は別。求める理想が日常の使用域を超えた特別なモノになるからだ。

ところがコペンはダイハツの潜在的なポテンシャルがあればこそのモデルだった。先代の肩の力を抜いて楽しめる2シーターオープンの魅力を活かしつつ、ダイハツが「D-Frame」と呼ぶボディ構造をはじめ、「採算は度外視していいから良い足を造れ」と開発者が指示を受けた走行性能…etc。

決してパワフルとは言い切れない660cc 3気筒ターボエンジンと850kgに抑えられたボディとサスペンションのバランスの良さはダイハツでなければ造りだすことができなかったのではないか。

約20秒で電動開閉操作の行えるトップを開けて走る…。それが狭い住宅街の間だろうとワインディングだろうと、海岸線であろうと、この手足のように扱える新型コペンの気持ち良さは同じで、しかしシーンによって濃密さや楽しさのツボが変化すると言えばいいだろうか。

走り好きの筆者としてはコーナリング中、リヤタイヤがどっしりと踏ん張り出口に向かってアクセルを踏み込んでいったときの本格的な走りの頼もしさをこのサイズで楽しめるところが魅力。

一方でドライブ好きでもある筆者としては街中でオープンドライブをしていても気恥ずかしくない気取りのなさ加減がステキだと思う。

5MTの他にCVTも採用する新型コペンはだからこそ女性にもおすすめモデルと言いたいところだけれど、シートの座面が低く最適なドライビングポジションを取りにくいのが難点。シートに座ってみてステキなドライブがイメージできたら「買い」だ。

外板ボディのデザインについては今後の展開がまだまだ続く。鎌倉(神奈川県)には「コペン ローカルベース鎌倉」というカフェもオープン。様々な新たな試みがこの小さなオープンスポーツカーの新しい展開にどう繋がるのか? 期待せずにはいられない、というのがホンネだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★☆
インテリア:★★☆
居住性:★★☆
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★


飯田裕子|自動車ジャーナリスト協会会員
現在の仕事を本格的に始めるきっかけは、OL時代に弟(レーサー:飯田章)と一緒に始めたレース。その後、女性にもわかりやすいCar & Lifeの紹介ができるジャーナリストを目指す。独自の視点は『人とクルマと生活』。ドライビングインストラクターとしての経験も10年以上。現在は雑誌、ラジオ、TV、シンポジウムのパネリストやトークショーなど、活動の場は多岐にわたる。

《飯田裕子》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 日産『エクストレイル』e-POWER が走行不能に!…土曜ニュースランキング
  2. レクサスの最高峰セダン『LS』36年の歴史に幕、SNSでは「センチュリーが後継モデルに?」との期待も
  3. Z32ファン感涙、レトロ感あふれる『フェアレディZ』が話題…9月の新型車記事ベスト5
  4. 新車でも中古車でもない“第3の選択肢” ガリバー発の新ブランド「リメイクカーズ」誕生
  5. マツダの新型SUVが約250万円から!?「バグってる」「買わない理由がない」など驚きの声殺到
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る