【マツダ ロードスター 新型発表】ワールドプレミアをファンと迎えた理由

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マツダ・ロードスター
マツダ・ロードスター 全 18 枚 拡大写真

9月4日、日本(千葉・幕張)、北米(モントレー)、欧州(バルセロナ)の3地域で行われたファン参加型イベントにおいて、第4世代となる新型のマツダ『ロードスター』が世界初公開された。通称は「ND型」だ。

「本当は2月に開催されるモーターショー、25年前に初代ロードスターが出たシカゴショーでデビューさせたかったんですよ。本当に25年目の誕生日に出そうというのが目標でした。でも、なかなか会社の経営がよくない時期もありまして、間に合わなくなっちゃって(笑)」と、マツダの常務執行役員 藤原清志氏は内幕を明かした。

モーターショーには間に合わない。それではどうやって公開するのか? となったとき、今回の新型ロードスターは特別な方法が採用された。通常、日本における新型モデルの発表は、まずはメディア向けに事前説明会や試乗/撮影会を実施し、その後に正式発表となる。ユーザーが新型モデルを知るのは、あくまでも正式発表後だ。しかし、新型ロードスターではメディア向けの事前の告知はなく、ファン参加型イベントにおいて初めて発表された。つまり、一般のファンとメディアが同時に新型ロードスターのデザインを知ることになったのだ。

「ロードスターというのは、みなさんが思うほど簡単なプログラムじゃなくて、ビジネスとしては相当に難しい。なおかつ、プラットフォームも全部新しくしなくては、満足してもらえないクルマなんですよ。だからこそ、誰も我々と同じくらいの価格帯に入ってこられないんですけどね。そういうクルマでも、なんとかもっているのはファンの方々がいるからなんです。たとえば20周年のときは、ファンの方から電話があって“ロードスターの故郷である広島の三次の試験場を貸してください”と言われました。そして“お貸しします”ということでやったら、全国から1800台くらいの方々が集まったんですよ」と、ロードスターのビジネスにとってファンの存在が非常に重要だと藤原氏は言う。

「ロードスターの主査である山本に、“今回、一番伝えたいことはなんですか?”と聞いたら、“感謝です”と言う。“そうでしょ! だから、一番にファンに伝えましょう。日本だけではなく全世界ですよね? ならば世界3か所でやりましょう”ということになりました」といきさつを語る藤原氏。

また、9月上旬の木曜日の開催は、日本や欧米のメディアの都合(日本は9月6日にロードスターを使ったメディア退校時間耐久レースが開催されるため、その前の開催が望ましいという判断。欧米の場合、週末はメディアが取材をしたがらないなど)を考慮した結果だという。しかし、平日の朝9時半スタートという、非常に参加しにくい時間帯の開催となりながらも、約1200人分用意された参加チケットは、わずか10分でソールドアウトに。バルセロナの開演時間は深夜3時であったが、それでも250人が参加。夕方6時のモントレーの参加者は500人、関連イベントをあわせると2500人が参加。平日の早朝や深夜といった難しい時間帯でも、大勢のロードスターのファンがイベントに駆けつけた。ファンを大切にするマツダの気持ちにファンも応えたのだ。

《鈴木ケンイチ》

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