シミュレーターは本物のSクラス…六本木でメルセデスベンツ インテリジェントドライブを体験

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メルセデスベンツ インテリジェントドライブ ドライビング シミュレーター
メルセデスベンツ インテリジェントドライブ ドライビング シミュレーター 全 11 枚 拡大写真

メルセデスベンツ・日本は、六本木のメルセデスベンツ コネクションで「インテリジェントドライブ ドライビング シミュレーター」を9月末まで設置している。そのシミュレーターで、同社最新の安全技術を体験した。

安全性をリードしてきたメルセデスベンツの歴史

ドイツ南西部に存在する「ベルタ・ベンツ・メモリアルルート」。世界で初めてガソリンエンジンを発明し特許を取得したカール・ベンツの妻、ベルタ・ベンツが、夫の発明の偉大さを世に示そうと1888年8月に『ベンツ・パテント・モーターカー』に乗りドイツのマンハイムから故郷のプツォルツハイムへと旅した約100kmの道のりである。

ベルタ・ベンツの自動車旅行から125年、メルセデスベンツは同ルートを使用した走行実験を実施。その内容は、『Sクラス』をベースとした『S500インテリジェントドライブ』でマンハイム~プツォルツハイム間の約100kmを自動運転で走破するというもの。走行ルートには、人通りの激しい市街地やヨーロッパ特有のラウンドアバウトなど、コンピューター上で複雑な処理を行う必要のあるものも多かったが、S500インテリジェントドライブは見事走破した。

メルセデスベンツはこの他にも、膨大な走行実験から自動運転や安全への技術を磨いており、その一端が市販車にも応用されている。75年前の1939年には車内に安全部門を設置し、1951年には衝撃吸収ボディの特許を取得。今回シミュレーターの説明をしてくれたメルセデスベンツ・日本 広報の松浦友香さんは「メルセデスベンツが開発し、できるだけ特許も公開し、今となってはクルマの常識となっているものもある。自動車社会全体が安全となるようにと思ってるのがメルセデスベンツというブランドです」という。

シミュレーターと言えど、使用するのはホンモノのSクラス

新型Sクラスは「知能を持ったクルマ」というキャッチコピーが付けられ、数多くのセンサー・カメラを搭載。メルセデスベンツの言う“部分自動運転”を行うクルマとして大きな話題を呼んだ1台である。

7月11日に登場した新型『Cクラス』には、Sクラスとほぼ同等の先進技術が搭載されこちらも話題となったが、その新型Cクラスの登場に合わせて六本木のメルセデスベンツ コネクションに設置されたのがこのシミュレーターだ。シミュレーターと言っても、ゲームセンターにあるアーケードゲームのようなものではなく、そこにあるのは実物のSクラス。ドアの締まり音やゆったりとしたシートなど全てが本物で、目の前には6つの大きなモニターが備わっている。

メルセデスベンツの安全への理念には、事故を未然に防ぐ「アクティブセーフティ」と、事故が起きてしまった後の安全対策「パッシブセーフティ」という2つの考えがあり、今回のシミュレーターでは「アクティブセーフティ」を体験することができる。シミュレーターは「テストコースおよび市街地」、「夜間の郊外」、「高速道路」の3つのシチュエーションを用意する。

きめ細かな制御が光るブレーキアシスト

まずは「テストコースおよび市街地」。体験できるのは「PRE-SAFEブレーキ」と「BASプラス」だ。前者は、事故が差し迫った際に自動的にブレーキを介入するシステムで、後者は歩行者などの飛び出しによる事故を未然に防ぐというもの。

ここで光るのは、クルマがドライバーの意識を的確に汲み取ることだ。制御は警告、アシスト、ブレーキという段階を踏んでいき、クルマが危険を察知すると音と表示により注意を促す。その際最適なブレーキをクルマ側が計算し制御をアシストする。ドライバーが無反応の場合、その次の段階ではフルブレーキの40%の力で警告ブレーキが自動で作動する。それでもドライバーが無反応だった場合、衝突の約0.6秒前にフルブレーキで車両を停止させる。

この間、ブレーキやハンドル操作などドライバーが危険回避の行動を取ると、クルマは回避や停止をアシストするように働く。ブレーキを行うのはあくまでもドライバーが危険を察知していない時だけであり、ブレーキ量の調整や回避によるスピンの防止など、事故を起こさないためのアシストをクルマ自らが考えて選択をするというのがこのシステムの特徴である。

松浦さんは「きめ細かな制御を行うのがメルセデスベンツの安全技術の特徴です」と教えてくれた。

《橋本 隆志》

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