トヨタ自動車は、フランス・グルノーブル市、グルノーブル都市圏共同体(METRO:メトロ)、シテ・リブ、およびフランス電力公社(EDF)と共同で、超小型EVを活用した運用社会実験「シテ・リブ by Ha:mo」を2014年10月より開始する。実験期間は3年を予定している。
この実証実験に利用されるのは、トヨタ『i-ROAD』と『COMS』それぞれ35台、計70台。カーシェアリング事業者であるシテ・リブの協力のもと、EDF子会社のSodetrelが充電インフラを管理する。
充電ステーションは、市街中心部及び郊外の交通結節点27か所に設置され、それぞれのステーションには少なくとも充電器(チャージャー)が4基置かれる。i-ROADはまだ試作段階であり、35台もの数を持ち込んで3年間運用するという大規模な実験は国内外含めて初の取り組みだ。
トヨタ関係者によると、シテ・リブ by Ha:moは、すでに地元市民を対象にモニターを募集しており、9月上旬時点時点ですでに100名近くの応募があるという。
視察に訪れたトヨタ自動車の友山茂樹常務役員は、「グルノーブル市自体が都市の環境問題・交通問題に対してかねてから積極的に取り組んでいる。また、トヨタではクルマと人・コミュニティと結ぶ新しいモビリティを開発していて、それを実証できる場を求めていた。トヨタとグルノーブルとのニーズが合致した」と今回のコラボレーションの経緯について説明する。
また友山常務は、「システムや車両そのものも進化させ、最終的には自動車ビジネスの新しいカタチ、また社会における自動車の新しいあり方を創出することに結びつかせていきたい」と述べ、今回の実証実験の知見を生かした新たな自動車ビジネスに取り組む姿勢も強調した。