史上初の彗星着陸探査「ロゼッタ」、第1候補地点が決定

宇宙 科学
彗星に着陸するロゼッタ探査機のフィラエ着陸機
彗星に着陸するロゼッタ探査機のフィラエ着陸機 全 3 枚 拡大写真

2014年9月15日、ESA 欧州宇宙機関は彗星探査機『Rosetta(ロゼッタ)』に搭載された着陸機『Philae(フィラエ)』による彗星着陸探査の第1候補地点を決定したと発表した。

【画像全3枚】

欧州共同による彗星探査機ロゼッタは、打ち上げから10年かけて今年8月6日に67P/ チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の軌道に到達。彗星を周回し観測しながら、史上初となる彗星核表面への着陸探査のための候補地点選定を進めていた。

探査機が100km以内に接近して次々と送られてきた画像からは、2つの物体が合わさったと思われる彗星の表面がゴツゴツしている様子が明らかになった。地形や表面の物質の科学的価値などを考慮して、5つの着陸地点が候補となり、フィラエ運用の中心となるDLR ドイツ航空宇宙センターなどを中心に議論が交わされてきた。

第1候補となった「J」地点は、差し渡しほぼ4kmの彗星の頭の中ではもっとも幅広い部分に位置する。「J」地点の探査からは、彗星の始原的な物質を分析することができ、彗星核の特質や活動のプロセスの解明につながると期待され、この場所を第1候補とする決定は満場一致だったという。第2候補となるバックアップ地点は、彗星の体の部分にある「C」地点となった。

DLRのフィラエ着陸機プロジェクトマネージャを務めるStephan Ulamec博士によれば、今後はロゼッタ探査機に搭載された航法カメラとOSIRISカメラの観測データを組み合わせ、着陸地点の3次元高低差モデルを作成して着陸に備えるという。最終的な決定は10月となり、11月11日に着陸探査が行われる予定だ。

彗星と地球との距離のため、探査機との間には長い通信タイムラグが発生し、着陸ミッション中のフィラエやロゼッタとリアルタイムで通信することはできない。探査機は自律的に動作するようになっているが、楕円形に広がりをもつ着陸予定地点の中でピンポイントに降りる場所を指定することは難しい。設計段階では、フィラエは多孔性の氷の表面からダスト状の地形まで検討されており、また45度までの勾配にも耐えられるが、降りた場所に岩やクレバスが存在し、フィラエの姿勢が安定しない可能性も考えられるという。また、活動中の彗星の表面からガスが噴き出して、降下中のフィラエの位置が変わってしまうといった懸念もある。

フィラエの着陸が成功すれば、搭載した太陽電池が十分に発電可能な間は探査ミッションを続けるという。彗星が太陽から2天文単位の距離まで接近する、2015年3月末まではミッションを継続できるとのことだ。

《秋山 文野》

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