【ジャカルタモーターショー14】インドネシアで出会った懐かしのGT-Rは、激レアなあのクルマだった

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ジャカルタモーターショーで出会った懐かしのNISMO 400R
ジャカルタモーターショーで出会った懐かしのNISMO 400R 全 15 枚 拡大写真

インドネシアで開催されているジャカルタモーターショーで、懐かしのR33型日産『スカイラインGT-R』を発見した。しかもよくよく見れば「400R」の文字が。そう、これは日産のモータースポーツブランドNISMOにより日本限定99台のみが販売された、当時の市販車としては超高出力な400psを発揮した「NISMO 400R」だ。

4代目スカイラインGT-Rとして1995年に登場したR33型をベースに、NISMOが全面チューニング。レースで培われた技術、ノウハウが詰め込まれたコンプリートカーだ。最大の特徴は、その名が示す通り400psを発揮するRB型エンジン。排気量を2568ccから2771ccにスープアップ、ターボ加給圧も0.6kgから1.1kgまで高め、低速トルクを増大、低速から高速まで「使いやすく速い」クルマを目指した。価格は当時1200万円。

今となっては後継車にあたる「日産GT-R」の標準グレードでも500psを軽く超える時代。しかし、280ps自主規制がおこなわれていた90年代に市販車で400psを出す、というインパクトは「走り屋」や「ルーレット族」が全盛期(?)の中で羨望のまなざしを集めたものだ。

余談ではあるが、学生時代の筆者の友人は当時人気だった某漫画に影響され、「いつかR33で首都高最速をめざすんだ」と、一流大学に通いながら頭金200万円を稼ぐためにアルバイトに明け暮れていた。彼も今や一流企業の管理職。GT-Rがヤンチャな走り屋たちの“アシ”から、スマートでワールドワイドなスーパーカーへと転身したように、時代は流れて行くのである。

さて、ジャカルタモーターショー。今回の400Rは、メーカーが出展する本館とは別のアフターパーツ展示場の一角で、日本のチューニングブランド「Mine’s」ブースに展示されていた。Mine’sによるデモカーとのことだが、ほぼ市販時そのままの上質な個体だ。多くの来場者の目には最新のコンセプトカー並みに新鮮に映ったようで、足をとめしきりにシャッターを切る人々の姿が見られた。

日本車の販売シェアが9割を超えるインドネシア市場。日本車の人気は本国以上で、日本にしかない特別仕様車などを輸入し購入する人たちもいるそうだ。とはいえ、一般的にはスポーツカーやラグジュアリーカーなどの高付加価値車を手に入れることができるのは一握りにも満たない。市場が成熟していくにつれ、筆者の友人のように「ジャカルタ最速を目指す」ような若者も増えていくのかもしれない。「クルマを楽しむ」ことができるようになった時、インドネシアは新しい姿を見せてくれるだろう。

《宮崎壮人》

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